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190 ジョグジャカルタ・インドネシア

190 ジョグジャカルタ・インドネシア

前編のジャカルタ編に引き続き、2016年3月末にインドネシアを訪れた際の写真である。
インドネシアの奈良や京都と呼ばれるジョグジャカルタは、18世紀のジョグジャカルタ王朝の成立とともに生まれた穏やかな街だ。オランダによって王朝が滅びたジャカルタとは異なり、ジョグジャカルタでは王朝が存続し、第二次世界大戦後の独立運動時には臨時政府が置かれた歴史もある。またアートが盛んな街としても有名だ。海とムラピ山を結ぶ南北軸を中心に据えた都市計画が実行され、現在も王の居住するクラトン(王宮)や繁華街のマリオボロもこの軸上に位置している。その街並みにはオランダ、ポルトガル、イギリスに加え、中国からの入植者の影響も残り、不思議な雰囲気が漂う。また、ジョグジャカルタの近郊には、ボルブドゥール遺跡や、プランバナン寺院など1000年以上の歴史を紡ぐ遺跡が残され、ジャワの文化を現在にまで伝えている。
このような歴史の残る街だからなのか、建築と伝統やクラフトマンシップとの融合が数多く見られた。アガ・カーン建築賞も受賞したことのあるY.B.マングンウィジャヤによる2棟の建物は、けっして精緻ではないが、さまざまなパタンを用いた即興的な増改築の多面的な表情が魅力だ。また、ジャカルタ編でも取上げた、モダニズムの名手A.マーティンによる住宅においても、レンガを積んだファサードが見られるなど、見て回った建物には随所に人の手仕事の匂いが色濃く残るのが印象的であった。
今回は、遺跡、伝統建築、住宅、街並みなど要素の異なる写真を選定したが、モダンなジャカルタ編とはまた異なるジョグジャカルタの魅力が伝われば幸いである。



[撮影者:椚座基道+ハリー・カーニアワン(東北大学大学院)]

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