201906

プラネタリー・アーバニゼーション
──21世紀の都市学のために[後編]

ニール・ブレナー、クリスチャン・シュミット、アンディ・メリフィールドなどの都市理論家、研究者らによる「プラネタリー・アーバニズム」の思想形成を紹介した2018年11月号「プラネタリー・アーバニゼーション──21世紀の都市学のために[前編]」につづく後編。
アンリ・ルフェーヴルはかつて「新たな脅威として都市的なものの地球化(プラネタリー・アーバニゼーション)が存在する。この運動を制御しないのであれば、都市的なものは三千年紀のあいだに空間全体に拡大するだろう。都市の世界的拡大は、空間の均質化と多様性の消失という巨大な危険なしには進展しない。均質化は、労働、余暇、物質的生産、多様なサービスへと空間を分断し、社会階級は、空間のうちに書き込まれることで階層化される」(「地球の変貌」1989)と、都市空間を議論するための新たなパースペクティブの必要を説きました。
モノの生産から空間の生産へ、質の評価から量の評価への移行を加速させる資本主義は、現代都市をどのような姿に変えていくのか。そのときなぜ学知の再組織化、新たな理論が必要なのか。「プラネタリー」という形容を内包するこのアーバニズムの射程について、先行研究を豊富に引きつつ展開する1対談、「地理(学)的想像力の詩学と政治学」「世界のコンテナ化=ロジスティクス化」「アーバン・マネジャリズム論」など、さまざまな起点から書かれた3論考、計4つの記事から進行形の都市の様態を考えます。

進行形の都市研究を立ち上げる──プラネタリー・アーバニゼーションは遷移、侵犯する

平田周(南山大学)+仙波希望(広島文教大学)

ポストモダン地理学とは何であったのか?

大城直樹(明治大学)

忘却された空間からの視角──ロジスティクスと都市のインフラストラクチャー

原口剛(神戸大学)

都市はだれのものか?──レイ・パールの都市社会理論の現代的再構成に向けて

渡邊隼(東京大学)


INDEX|総目次 NAME INDEX|人物索引 『10+1』DATABASE
ページTOPヘ戻る