201810

都市をいかに記述するか
──ノーテーションの冒険、その現在形

複雑化する都市や、刻一刻と変化する社会状況を捉えるために、私たちは代補としてのノーテーション(表記体系)やカルトグラフィ(地図作成法)に囲まれています。高度に情報化し、格差と分断がひろがる社会のなかで、いまどのように都市を捉え記述し、考えることができるのでしょうか。「『もの』の規定を精緻化することと、一方においては『こと』をデザインすること」。都市計画家や建築家は、その幅のなかで現代都市の不確定性をいかにして記述するか──。「ノーテーション/カルトグラフィ」の関心は、多様化するメディア環境において再考すべき問題を含んでいます。本特集では、八束はじめ氏によるノーテーションへの関心の軌跡と、第一線で活動する80年代生まれの研究者や実践者4名による論考を掲載し、インターフェイス、グラフィック・デザイン、VR、模型といった思考モデルの考察を通して、時間や空間の考え方、社会との交点を捉え直します。

ノーテーションを振り返って

八束はじめ(建築家、建築批評家)

ノーテーションの憂鬱、インターフェイスの冒険

連勇太朗(建築家、NPO法人モクチン企画代表理事)

形象化された世界──《都市の記述》とその表現

大田暁雄(デザイン研究家、グラフィック・デザイナー)

バーチャル・リアリティの記譜法
──パノラマ、キュビズム、座標系

大野友資(建築家、DOMINO ARCHITECTS代表)

建築模型のメディア試論
──〈未来/過去〉と〈手段/目的〉の媒介性

松井広志(愛知淑徳大学講師、文化社会学・メディア論)


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