INAXフォーラム《建築と経験》1

塚本由晴×トシコ・モリ


INAXフォーラム《建築と経験》1  塚本由晴×トシコ・モリ
塚本──まずはじめに、この連続フォーラム★1には「住宅の建ち方/建築の経験」というタイトルがついています。「建築の建ち方」とは、私が以前作った建物をとおして言っていた言葉ではありますが、どういうふうに建物が都市空間のなかや現代の社会のなかであるべきかという、あり方の問題を、具体的な次元に落として語るときに立ち方というものが問題になってくるのではないかということで、私が関心を持っております。
それともうひとつの「建築の経験」というのは、建築家はよく手法を語るわけですけれども、同時に手法というものがどういう風に建築の経験の平面のほうに写像できるのか、移し替えてそこにどう響いてくるのかを問題にしたいとおもっております。そうしたことで、建築の経験とはどういうことなのかを考えていきたいと思っております。
第1回目のゲストは、トシコ・モリさんです。ハーバード大学の大学院のGSD(グラジュエート・スクール・オブ・デザイン)で建築学科の学科長をなさっている方です。日本では、今年になって『新建築』がインタビュー記事を載せたり、『a+u』に森さんが編集された『インマテリアル/ウルトラマテリアル』という素材の探求に関する本の書評が載ったりと、少しずつ紹介されているわけですが、日本ではいままであまり紹介されてきませんでした。
というのは森さんはニューヨークで活動されていて、82年に独立されるまで、クーパーユニオンでアートと建築の勉強をなさって、その後エドワード・ララビー・バーンズという設計事務所に入られました。それから独立後は89年までクーパーユニオンで、89年からはハーバード大学で教鞭を執っていらして、2001年には学科長になられたという経歴の持ち主です。
作品はもともとアートを専攻されていたということもあり、インスタレーションの仕事やアーティストとのコラボレーション、展覧会のキュレーションなどをはじめ、インテリアデザイン、とくに有名ものとしてはニューヨークのコム・デ・ギャルソンやイッセイ・ミヤケのブティックを設計なさっています。最近は住宅の設計を非常に精力的になさっていて、つい最近はライトの住宅のすぐ脇にヴィジター・センターをつくるというコンペがあり、それで一等賞を取られて、その設計を手がけておられるところです。
今日は、住宅のプロジェクトなどを中心にプレゼンテーションしていただいて、それからできればそのあとに大学のほうで研究されてこられた素材に関する研究についてもお話いただけれたらとおもいます。

★1----塚本由晴氏を軸に開催されるこのフォーラムは、『住宅論----12のダイアローグ』としてINAX出版より刊行された青木淳氏をメインにしたフォーラムと同様の開催形式で行われます。
開催は1ヶ月に1度、おおよそ1年にわたって継続的な開催を予定しています。
毎回ゲストとして、建築家や作家、アーティストをお呼びして、それぞれのポジションから「住むこと」「建てること」「作ること」の内実とそれらの経験について語っていただきます。
次回は1月末を予定。詳細が決まり次第web上でお知らせ致します。
また、web上でもフォーラムの様子を可能な限り動画などで公開していく予定です。(mdr)


200401


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