美術館史年表美術館Book Guide変容するミュージアム──21世紀美術館研究

Last Up Date: 2000.10.17

このブックリストは美術館の機能・運営・歴史を考えるうえで参考になる書物100冊を初版刊行年順に掲げてある。今後も新たに書物を追加していきたいと考え、タイトルを「美術館を考える100冊プラス」とした。

ニコラス・ペヴスナー
『モダン・デザインの展開
――モリスからグロピウスまで
(白石博三訳、みすず書房、1957)
美術史的アプローチを確立したデザイン史の古典。
後のデザイン展にも大きな影響。

アンドレ・マルロー
『空想の美術館』
(小松清訳、新潮社、1957)
写真が可能にする全世界芸術の伝統!
複製芸術の時代に必然的に問われた美術館論の名著中の名著。

土方定一『画家と画商と蒐集家』
(岩波新書、1963)
日本初のモダンアート・ミュージアム館長による一冊。
以後多くの美術館運営に影響を与えた「カマキン方式」とは?

クレメント・グリーンバーグ
『近代芸術と文化』
(瀬木慎一訳、紀伊國屋書店、1965)
フォーマリスム批評の基本文献。
特に「アヴァンギャルドとキッチュ」が重要。

ル・コルビュジエ
『今日の装飾芸術』
(前川國男訳、SD選書、1966)
無限発展の美術館「ムンダネウム」とは?――
美術館史にも多大な足跡を残した、20世紀最大の建築家の代表作。

磯崎新『空間へ
――根源へと遡行する思考
(美術出版社、1971
/復刻版=鹿島出版会、1997)
▼『造物主義論(デミウルゴモルフィズム)(1996)参照

ミシェル・フーコー『言葉と物
――人文科学の考古学
(渡辺一民+佐々木明訳、新潮社、1974)
▼『これはパイプではない』(1986)参照

磯崎新『建築の解体
――1968年の建築情況
(美術出版社、1975
/復刻版=鹿島出版会、1997)
▼『造物主義論(デミウルゴモルフィズム)(1996)参照

レイナー・バンハム
『第一機械時代の理論とデザイン』
(石原達二訳、鹿島出版会、1976)
「未来派」や「デ・ステイル」の機械美の解釈は、
後の「マシーン・エイジ」の再解釈にも大きな影響。

ロバート・ヴェンチューリほか
『ラスベガス』
(石井和紘+伊藤公文訳、
SD選書、1978)
▼『建築の多様性と対立性』(1982)参照

針生一郎『戦後美術盛衰史』
(東京書籍、1979)
長年戦後美術の第一線に関わってきた批評家による通史の試み。
美術館がほとんど存在しなかった終戦直後の記述は現在とは
隔世の感。

マリオ・プラーツ
『記憶の女神ムネモシュネ
――文学と美術の相関関係
(前川祐一訳、美術出版社、1979
/新版=『ムネモシュネ

――文学と視覚芸術との間の平行現象』
高山宏訳、ありな書房、1999)
記憶論の古典。絶版久しかった名著が、新訳によって待望の復刊。

梅棹忠夫編『博物館と美術館
――館長対談(中公新書、1981)
独自の分類思考によって知られる著者の美術館論。
IT時代の分類収集思想を先取りした書。

長谷川栄『これからの美術館』
(鹿島出版会、1982)
▼『新しいソフト・ミュージアム』(1997)参照

ロバート・ヴェンチューリ
『建築の多様性と対立性』
(伊藤公文訳、SD選書、1982)
ポストモダン都市論の先駆。
パブリックアートの成立という観点からも重要な一冊。

ポール・ヴァレリー
「博物館の問題」
『ヴァレリー全集』第10巻
(渡辺一夫+佐々木明訳、
筑摩書房、1983)
美術館嫌悪とは何か?――
戦後世界美術の問題をはるかに先取りした画期的論考。

エル・リシツキー『革命と建築』
(阿部公正訳、彰国社、1983)
ロシア革命は美術館史にとっても重要な出来事だった――
トロツキーの『文学と革命』とあわせ読まれるべき一冊。

赤瀬川原平『東京ミキサー計画――
ハイレッド・センター直接行動の記録

(PARCO出版局、1984
/ちくま文庫、1994)
▼『超芸術トマソン』(1985)参照

トム・ウルフ
『現代美術コテンパン』
(高島平吾訳、晶文社、1984)
アートシーンに精通した辛口ジャーナリストの毒舌が冴える一冊。
裏返しの愛情から、今日の美術の問題を感じ取れ!

赤瀬川原平『超芸術トマソン』
(白夜書房、1985
/ちくま文庫、1987)
60年代のハイレッドセンターの軌跡。
都市と美術の関係とはいかに?

テオドール・W・アドルノ
『美の理論』
(大久保健治訳、河出書房新社、1985
/第3版=1989)
▼『プリズメン』(1996)参照

マンフレッド・タフーリ
『建築のテオリア
――あるいは史的空間の回復
(八束はじめ訳、PARCO出版、1985)
「建築」というイデオロギーをモダニズムの立場から説いた意欲作。
美術館論にとっても多大な示唆がある。

シャルル・ボードレール
「1846年のサロン」
『ボードレール全集』第5巻
(阿部良雄訳、筑摩書房、1985)
美術批評は詩人の印象批評から始まった――
19世紀パリの「サロン」論は美術館論の先駆でもある!

岡倉天心『東洋の理想』
(講談社学術文庫、1986)
「美術」とは何か?――
イデオロギーとしての「美術」を概説した古典中の古典。

千葉成夫『現代美術逸脱史
――1945〜1985
(晶文社、1986)
「逸脱史」をうたいつつも、戦後日本美術の重要な動向を、
展覧会との並行関係で網羅した好著。

ミシェル・フーコー
『これはパイプではない』
(豊崎光一+清水正訳、哲学書房、1986)
分類と収集――美術館の基本思想を準備した啓蒙思想の核は、
この著者の議論抜きに語れない。

ハル・フォスター編
『反美学――ポストモダンの諸相
(室井尚+吉岡洋訳、勁草書房、1987
/新装版=1998)
80年代を代表するポストモダニズム宣言書。
特にダグラス・クリンプの「美術館の廃墟に」が必読。

マーシャル・マクルーハン
『メディア論――人間の拡張の諸相
(栗原裕+河本仲聖訳、
みすず書房、1987)
言わずと知れたメディア論の古典。
美術館もまた、身体を拡張させる装置のひとつだ。

北澤憲昭『眼の神殿
――「美術」受容史ノート
(美術出版社、1989)
▼『境界の美術史』(2000)参照

『季刊都市
――ポスト・ポストモダン都市
(浅田彰ほか編、都市デザイン研究所、
1989)

ピエール・ブルデュー
『ディスタンクシオン
――社会的判断力批判』 I・II
(石井洋二郎訳、藤原書店、1990)
▼『美術愛好』(1994)参照

Rosalind Kraus,
"Cultural Logic of
Late Capitalism Museum",
October No.54,
1990
あのロザリンド・クラウスのポストモダニズム美術館論。
このタイトルは、フレドリック・ジェイムソンの名著
Cultural Logic of Late Capitalism のパロディか?

Stephen Weil,
Rethinking the Museum and Other Mediations,
Smithonian Institute Press, 1990
美術館とほかの媒体を比較検討したメディアとしての美術館論。

伊藤俊治『機械美術論
――もうひとつの20世紀美術史
(岩波書店、1991)
▼『トランス・シティ・ファイル』(1993)参照

椹木野衣
『シミュレーショニズム――
ハウス・ミュージックと盗用芸術

(洋泉社、1991/河出文庫、1994)
▼『日本・現代・美術』(1998)参照

港千尋『群衆論
――20世紀ピクチャー・セオリー
(リブロポート、1991)
▼『記憶』(1996)参照

マーク・ポスター『情報様式論
――ポスト構造主義の社会理論
(室井尚+吉岡洋訳、岩波書店、1991)
優れたポストモダン情報論。
サイバースペースとしての美術館に対処するヒントが満載。

山口勝弘『メディア時代の天神祭』
(美術出版社、1992)
著者は草分け的なメディア・アーティスト。
ややオールド・ファッションだが、その発言には一聴の余地あり。

吉見俊哉『博覧会の政治学
――まなざしの近代
(中公新書、1992)
博覧会の歴史は、消費の展示の歴史でもある――
美術館論にも多大な示唆を孕んだ、出色の博覧会論。

伊藤俊治
『トランス・シティ・ファイル』
(INAX出版、1993)
20世紀はイメージの世紀である――
アーカイヴとしての美術館に着目した旺盛な批評家の意欲作。

井出洋一郎『美術館学入門』
(明星大学出版部、1993)
キュレーターとしての経験に裏打ちされた堅実な入門書。

諸岡博熊
『ミュージアムマネージメント
――産業文化施設の運営
(創元社、1993)
企業経営とミュージアムマネジメントを論じる視点は、
まだまだ類書に乏しく貴重。

フランセス・A・イエイツ
『記憶術』
(玉泉八洲男監訳、水声社、1993)
記憶論の古典。記憶装置としての美術館を探る原理がここにある。

ダニエル・ジロディ+
アンリ・ブイレ
『美術館とは何か
――ミュージアム&ミュゼオロジー
(高階秀爾監修、松岡智子訳、
鹿島出版会、1993)
数少ないミュゼオロジー入門の翻訳書。
平明な筆致は導入にうってつけ。

ヴァルター・ベンヤミン
『パサージュ論』全5巻
(今村仁司ほか訳、
岩波書店、1993−95)
美術館出生の地・パリを隅々まで踏破した散策者の軌跡。
豊かな思考が詰まった断章の数々。

Denis Bayart,
Pierre Jean Benghoni,
Le tournant commercial des musee en France et a l'etranger,
La documentation Francaise, 1993
フランスにおけるミュージアムショップの詳細なリポート。
日本でも類書の刊行が望まれる。

Douglas Crimp,
On the Museum's Ruins,
MIT Press, 1993
ポストモダニズムの立場からなされた画期的な美術館廃墟論。
メイプルソープの写真論、場所論、スターリングの建築論など
さまざまな角度から奥行きのある議論を展開。

Evelyne Lachelle et
Lucien Mironeur,
Musees et visiteurs,
DMF, 1993
統計調査に基づいて美術館と来館者の関係を分析。
観客論という視点からの美術館論は類例少なく重要。

ロザリンド・クラウス
『オリジナリティと反復
――ロザリンド・クラウス美術評論集
(小西信之訳、リブロポート、1994)
「オクトーバー」の論客による代表作。
モダニズムとの緊張関係から生まれた思考は、
いまや展覧会の編成にも世界的な影響を及ぼしている。

ピエール・ブルデューほか
『美術愛好
――ヨーロッパの美術館と観衆
(山下雅之ほか訳、木鐸社、1994)
統計調査の手法を導入した社会学的美術館論。
その明晰な見取り図は『判断力批判』と『資本論』に
多くを負っている。

マイケル・ベネディクト編
『サイバースペース』
(NTTヒューマンインターフェイス研究会
ほか訳、NTT出版、1994)
ヴァーチャル・ミュージアムは21世紀の美術館だ――
優れたサイバースペース論のアンソロジー。

佐々木晃彦監修、土屋良雄編
『芸術経営学講座1 美術編』
(東海大学出版会、1994)
アートマネジメント全般にわたる講座のシリーズは
ほかに類書なく貴重。
ほかの『音楽編』『演劇編』などとあわせて読みたい。

富山県立近代美術館問題を
考える会編
『公立美術館と天皇表現』
(桂書房、1994)
表現の自由が問われた事件の報告書。
美術館運営にとって、避けて通れない問題を知る一冊。

岩渕潤子『美術館の誕生
――美は誰のものか
(中公新書、1995)
アメリカ流アートマネジメントを学ぶ格好の一冊。
美術館史への言及に教科書的配慮も。

勅使河原純『美術館からの逃走
――現代「美術」は風景にからみつき
(現代企画室、1995)
現役キュレーターが脱美術館を目指した作家を論じた批評集。
特に川俣正論に一読の価値あり。

西岡文彦『マルチメディア美術館
――ハイビジョンCGが探る名画の秘密
(NTT出版、1995)
メディアアート美術館の可能性を展望した平易な入門書。

原田平作ほか編
[芸術学フォーラム2]
芸術学の射程』
(勁草書房、1995)
いわゆる芸術学のアンソロジーの中でも、
ミュゼオロジーを扱った文献は少数派。
中でも本書は、美術の社会受容や美術館効果を扱った貴重な一冊。

ミシェル・サヌイエ編、
マルセル・デュシャン著
『マルセル・デュシャン全著作』
(北山研二編訳、未知谷、1995)
美術館に持ち込まれた便器はなぜ「泉」になったのか――
美術館論に多大な影響を与えた、
20世紀最重要作家の全著作がこの一冊に凝集。

『建築文化』1995年7月号
(特集=ミュージアムが多様化する、
彰国社)

浅田彰+岡崎乾二郎+松浦寿夫編
『モダニズムのハード・コア
――現代美術批評の地平
(『批評空間』臨時増刊号、
太田出版、1995)

Victor Burgin,
In/Different Space,
Univ of California Press, 1995
アーティストでもある著者が
縦横無尽に展開する芸術論としての空間論。
なかでも「西武リアリズム」という概念には要注目。

磯崎新『造物主義論
(デミウルゴモルフィズム)
(鹿島出版会、1996)
第三世代の美術館とは何か?――
多くの美術館建築で知られる著者は、
卓越した美術館論の持ち主でもある。

大島清次『美術館とは何か』
(青英舎、1996)
独自の運営で知られる現役美術館長の発言集。
その批判精神には素直に耳を傾けるべき。

佐谷和彦
『アート・マネージメント
――画廊経営実感論
(平凡社、1996)
現役の画商による経験的マネージメント論。
経営という面から美術館を考えるのに好適。

西野嘉章『大学博物館
――理念と実践と将来と
(東京大学出版会、1996)
大学の財産としての美術品をいかに有効に活用するか――
ミュゼオロジーと大学の関係を多角的に考察。

港千尋
『記憶――「創造」と「想起」の力
(講談社選書メチエ、1996)
「群集」と「記憶」――
鋭利な批評家の思考は、
美術館の本質とも関わる問題を鋭く見据えている。

テオドール・W・アドルノ
『プリズメン』
(渡辺祐邦+三原弟平訳、
ちくま学芸文庫、1996)
フランクフルト学派の重鎮による芸術論。
「文化産業」は美術館の本質的な問題だ!

ビアトリス・コロミーナ
『マスメディアとしての
近代建築――アドルフ・ロースと
ル・コルビュジエ
(松畑強訳、鹿島出版会、1996)
「美術館を時代遅れとしているのはマスメディアだ」――
ジェンダー建築論の名著は美術館にも寸鉄を刺す。

リカルド・ボフィール
『空間を生きる』
(太田泰人訳、SDライブラリー、1996)
スペインの建築家による優れた空間論。

浅田彰ほか監修
『ネットワークの中の
ミュージアム』
(NTT出版、1996)
新時代のミュージアムを展望したアンソロジー。
個別のエッセイにも重要な論点あり。

『InterCommunication』No.15
(特集=スーパーミュージアム、
NTT出版、1996)

『InterCommunication』No.18
(特集=ハイパーライブラリー、
NTT出版、1996)

『美術手帖』1996年5月号
(特集=生きている美術館、美術出版社)

Reesa Greenberg,
Bruce W. Ferguson, and
Sandy Narin (eds.),
Thinking about Exhibitions,
Routledge, 1996
ローレンス・アロウェイやロザリンド・クラウスらの
寄稿を含むアンソロジー。
マルチカルチュラリズム的なアプローチはいかにも現代的。

海野弘
『美術館感傷旅行――45通の手紙
(マガジンハウス、1997)
該博な著者のアートエッセイ。
軽妙な筆致の中にも、美術館について考えるヒントあり。

岡部あおみ
『ポンピドゥー・センター物語』
(紀伊國屋書店、1997)
ポンピドゥー・センターに精通した著者が説く
フランス流ミュゼオロジーの体験的レポート。

奥平耕造編『美術館建築案内
――建築デザインを読む
(彰国社、1997)
美術館建築のガイドブック。
豊富な写真とデータは資料としても貴重。

高階秀爾『芸術のパトロンたち』
(岩波新書、1997)
美術界の重鎮による格好の入門書。
美術館史という観点からも一読の価値あり。

南條史生『美術から都市へ
――インディペンデント・キュレーター
15年の軌跡
(鹿島出版会、1997)
先駆的なインディペンデント・キュレーターによる
展覧会現場の記録集。
学芸員=キュレーターではないことを知る格好の一冊。

長谷川栄
『新しいソフト・ミュージアム
――美術館運営の実践
(三交社、1997)
ミュゼオロジーの第一人者による美術館論。
ミュゼオロジーを学ぶには、まずこの著者の著作から入るべし。

エミール・ディ・アントニオ+
ミッチ・タックマン
『現代美術は語る
――ニューヨーク・1940−1970
(林道郎訳、青土社、1997)
ニューヨークのアートシーンの記録集。
世界美術の発信拠点の動きから見えてくるものは少なくない。

カトリーヌ・グルー
『都市空間の芸術
――パブリックアートの現在
(藤原えりみ訳、鹿島出版会、1997)
豊富な作品写真・解説を交えたパブリックアートの記録集。
都市と美術の関係から、美術館への示唆を学べ!

スチュアート・A・ホルム
『博物館ドキュメンテーション
入門』
(田窪直規監訳・監修、勁草書房、1997)
新しい記録術・ドキュメンテーションは
今後の美術館にも必須のテクノロジーだ!

浅田彰監修
『マルチメディア社会と
変容する文化』
(NTT出版、1997)
ICC開館にあわせて刊行された講演記録集。

伊藤俊治監修、
美術館メディア研究会編
『美術館革命』
(大日本印刷株式会社ICC本部、1997)
メディア、情報、アーカイヴなど今後の美術館を
多角的に展望した美術館論集。

『InterCommunication』No.20
(特集=20世紀スペクタクル空間、
NTT出版、1997)

Arthur C. Danto,
After the End of Art,
Princeton Univ Press, 1997
高名な批評家の代表作。
そのヘーゲル的な?歴史観は、
美術館論の観点からも一読の価値あり。

椹木野衣『日本・現代・美術』
(新潮社、1998)
今最も注目されている批評家の代表作二編。
ホットな現代美術のダイナミズムを読み解け!

並木誠士ほか編『現代美術館学』
(昭和堂、1998)
ミュゼオロジーに関する本格的論文のアンソロジー。
今日の研究水準が投影された一冊。

根木昭ほか『美術館政策論』
(晃洋書房、1998)
文化行政やアートマネジメントを考察した論文集。
地味だが必要な研究書。

『美術手帖』1998年5月号
(特集=美術館の建築、美術出版社)

日比野秀男編著『美術館と語る』
(ぺりかん社、1999)
美術館学芸員のインタビューを多数収録。
展示、コレクション、研究など、
多岐にわたる学芸員の仕事を知るのに便利な一冊。

文化庁監修
『新しい文化立国の創造を
めざして――文化庁30年史
(ぎょうせい、1999)
美術館行政に対する国家の公式見解がこの一冊に。
豊富な統計資料は現状認識に役立つ。

Emma Baker (eds.),
Contemporary Culture of
Display
, Yale Univ Press, 1999
文化と展覧会のあり方の社会学的な分析。
カルチュラル・スタディーズによるミュゼオロジー?

Didier Maleuvre,
Museum Memories-history,
Technology, Art
,
Stanford Univ Press, 1999
「記憶」をキーワードに、
文学も織り交ぜて近代フランス美術を再構成した美術館論。
もともとが博士論文だけに論及は本格的。

青木茂+酒井忠康校注、
加藤周一ほか編
『日本近代思想体系17 美術』
(岩波書店、2000)
明治前期の重要な美術論を編纂したアンソロジー。
「美術」というイデオロギーを知る必携の一冊。

北澤憲昭『境界の美術史
――「美術」形成史ノート
(ブリュッケ、2000)
「美術」と国民国家の関連を問う著者の論点は、
「美術」の形成装置としての美術館についても一考を促す。

李禹煥『出会いを求めて
――新しい芸術のはじまりに
(田畑書店、1971
/新版=『出会いを求めて
――現代美術の始源』
美術出版社、2000)
もの派の代表的作家による理論的マニフェスト。
その脱美術館志向は、裏返しの美術館論としても読める。

坂村健編
『デジタルミュージアム2000』
(東京大学総合研究博物館、2000)
最先端の研究成果が投影されたデジタルミュージアムの
多角的ガイドブック。

Tate Modern the Handbook,
TATE, 2000
今春開館したばかりの現代美術館のオフィシャル・ガイドブック。
いま最もホットな美術館を知るための便利な一冊。