末廣香織インタヴュー2

建築のいま──九州という立地

末廣香織+九州大学学生+南泰裕

2009年8月19日 国士舘大学太宰府キャンパス MP3 16.4MB 23'54''

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南──今回は末廣香織先生が教えられている九州大学の学生の皆さんを交えてお話をしてみたいと思います。今日は国士舘大学太宰府キャンパスのワークショップに学生の皆さんが5人来ています。......先生からご覧になって学生の皆さんはどうですか。最近の学生の傾向でもいいですし、九州大学のカリキュラムや九州の建築界との関わりもお聞かせください。
末廣──建築学科に入ってきている学生も、最初は建築が何をやるのかわからずに入ってきていると思うのですね。3年生は、ようやく建築学科に色々な分野があるとわかってきている時期かと思います。九州大学の場合は工学部の建築学科で、技術的なことも教えますので、構造や設備などはかなり強いですし、僕はデザインを教えています。それとは別に学内に環境設計という学科があって、そちらでも建築のことをやっていますので、色々なところで少しずつ異なる特色の教育をしています。......

出演者プロフィール

末廣香織
1961年大分県生まれ。建築家。有限会社エヌ・ケイ・エス・アーキテクツ主宰。1986年九州大学大学院建築学専攻修士課程修了。1986-90年SKM設計計画事務所勤務。1990-91年EAT一級建築士事務所代表。1991-94年ベルラーヘ・インスティテュート建築学大学院在学。1993年ヘルマン・ヘルツベルハー建築設計事務所勤務。1994-98 九州大学工学部建築学科助手。1998年NKSアーキテクツ共同主宰。2005年より九州大学大学院人間環境学研究科准教授

高松研究室作品展「the horizon」公開収録3

京大学生の卒業設計

高松研究室学生+梅林克+松田達+五十嵐太郎+山田幸司

2009年10月11日 ASPHODEL MP3 28.8MB 41'53''

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左から、政所顕吾《IDIUM》、上園宗也《再生医療都市》、千葉美幸《登る都市は近づく》、平野利樹《祝祭都市》 撮影:平野利樹


松田──第3部は、皆さんの展示作品のプレゼンテーションを行なってもらいたいと思います。
政所──僕は、卒業設計は地元でやろうと決めていました。生まれが鹿児島なので、鹿児島そのものを表象するような建築を構想しようと決めて、取り組みました。......
上園──僕は1回生の時から卒業設計は医療に関係したものをやりたいと思っていました。ちょうど3回生の終わりに京大の山中伸弥教授が再生医療に関するIPS細胞を発見されて、再生医療に対する進路が開けた頃、4回生になったのです。それで卒業設計は再生医療が本格化した社会において、病院がどのようになるのか考えた計画をしました。......
千葉──《登る都市は近づく》という山のような建築をつくりました。都市に人間の居場所もできないかと考えて、そそり立つような巨大な壁面を砕いていきました。......
平野─僕は卒業設計では《祝祭都市》という、大阪の都心部に建つ結婚式場を作りました。

出演者プロフィール

高松研究室学生
政所顕吾+平野利樹+上園宗也+千葉美幸

梅林克
1963年京都府生まれ。建築家。1987年大阪芸術大学芸術学部建築学科卒業。1987-94年、高松伸建築設計事務所勤務。1994年F.O.B Association設立。1999年益永みつ枝、藤脇慎吾らとともにF.O.B HOMES設立。立命館大学・京都精華大学・東京都立大学・京都大学、非常勤講師。1997年「AURA」で住宅建築賞受賞。2005年「BLANCREA」でグッドデザイン賞受賞

岡田栄造インタヴュー

とびらプロジェクト設立

岡田栄造+山崎泰寛+松田達

2009年10月11日 京都二条周辺 MP3 17.5MB 25'27''

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中山英之《草原の大きな扉》 *クリックするとカラーで全体が表示されます


岡田──「とびらプロジェクト」は《草原の大きな扉》という作品をどこかの敷地に実現するプロジェクトです。《草原の大きな扉》は、昨年行なわれました六花亭主催のTea House Competition最優秀作品です。審査委員長は五十嵐淳さん、設計者は中山英之さんです。諸事情により、それが実現しないことになってしまったのですが、とても注目されたコンペであり、期待された案でもあるということで、なんとか実現しようと、この企画が立ち上がりました。
松田──第1回の総会が近く行なわれるとお聞きしたのですが......
岡田─11月1日に大阪のコーポ北加賀屋で行ないます。元家具工場をリノベーションしたところなのですけれど、そこで設立総会を開催します。......審査委員長の五十嵐さんに、審査の経緯やその後についてお話いただき、設計者の中山さんには、コンペ当時のプレゼンテーションを再現していただきます。また、アートアンドクラフトの中谷ノボルさんをお迎えし、発起人及び、五十嵐さん、中山さんとともに「アンビルトのリノベーション」というテーマで、このプロジェクトの社会的な意義について討議するシンポジウムを開催します。......

出演者プロフィール

岡田栄造
京都工芸繊維大学大学院准教授。1970年福岡生まれ。千葉大学大学院博士後期課程修了(学術博士)。大学でデザインの社会的プロセスについて研究するかたわら、「リボンプロジェクト」や「デロール・コミッションズ」などのディレクションを行っている。毎日更新のデザインニュースサイト「dezain.net」を主宰[とびらプロジェクトHPより]

山崎泰寛
建築ジャーナル編集部。1975年生まれ、島根県出身。横浜国立大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科、京都大学大学院教育学研究科修了(教育社会学講座)。保健室、学校建築、子ども用家具を研究。SferaExhibition/Archiveにて書店、ギャラリーの企画運営に携わり、現職。「roundabout journal」共同主宰[とびらプロジェクトHPより]

高松研究室作品展「the horizon」公開収録2

梅林克氏が語る京都の建築

梅林克+高松研究室学生+松田達+五十嵐太郎+山田幸司

2009年10月11日 ASPHODEL MP3 22.5MB 32'47''

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撮影:渡辺育


梅林──京大は、高松さんが来られる前は、デザインに軽い軽蔑があるような校風で(笑)、それが変わったのは近年のことなんです。高松さんが非常勤で京大に来られた時に、僕も呼ばれたことがあります。15年くらい前です。......その頃は、京都精華大学が良かった。ちょうどスタジオ制になって、上田篤先生がドローイングにも力を入れていました。......

出演者プロフィール

梅林克
1963年京都府生まれ。建築家。1987年大阪芸術大学芸術学部建築学科卒業。1987-94年、高松伸建築設計事務所勤務。1994年F.O.B Association設立。1999年益永みつ枝、藤脇慎吾らとともにF.O.B HOMES設立。立命館大学・京都精華大学・東京都立大学・京都大学、非常勤講師。1997年「AURA」で住宅建築賞受賞。2005年「BLANCREA」でグッドデザイン賞受賞

高松研究室学生
政所顕吾+平野利樹+上園宗也+千葉美幸

RADインタビュー

RAD/菊地宏展「FOTOTEST」

川勝真一+榊原充大+松田達

2009年10月12日 radlab MP3 25.6MB 37'18''

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松田──今日は、京都のRADの事務所に来ています。RADは川勝真一さんと榊原充大さんによるグループです。現在、事務所では菊地宏さんの展覧会をしています。今日は、RADの活動内容や、展覧会の概要について伺いたいと思います。
川勝──RADは「Research for Architectural Domain」の略で、直訳すると「建築領域のリサーチ」です。建物を建てる建築というものがあるとしたら、その周辺を旋回するような活動をしています。僕らに共通するのは、建物としての建築以外の"建築"が成立する可能性を考えて行きたいという思いです。RADはユニット名であると同時にプロジェクト名でもあります。......
榊原──RADが行なっているExhibition Projectを"rep"と呼んでいるのですが、その試みとして、菊地宏さんの展覧会を開催しています。11月1日まで行なっています。今回、菊地さんには写真というメディアを使って建築を表現してくださいとお願いしました。菊地さんからの解答は、菊地さん自身が設計された建物を菊地さん自身が撮影し、菊地さん自身で現像し、加工するという複層的な構造を持った作品です。......

出演者プロフィール

川勝真一
1983年生まれ。2005年京都工芸繊維大学造形工学科卒業。2005年stuttgart工科大学交換留学。2006年ARCHITECTON/RAD設立。2008年京都工芸繊維大学修士課程修了。現在、RAD代表、京都工芸繊維大学助教補助員

榊原充大
1984年愛知県に生まれ。京都在住

末廣香織インタヴュー1

九州の建築と熊本アートポリス

末廣香織+南泰裕

2009年8月19日 国士舘大学太宰府キャンパス MP3 15MB 21'49''

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南──今日は国士舘大学太宰府キャンパスにて建築のワークショップをしていて、九州大学の末廣香織先生に来ていただいています。末廣先生は、九州を中心に活躍されていて、熊本アートポリスのプロデュースやコーディネートもなさっています。今日は、九州の建築界の状況や今後の展望についてお話を伺いたいと思います。...
末廣──熊本アートポリスは最初始めたのが、1988年ということで、もう20年以上になります。...最初はお金もあったので、有名建築家が来て面白い建物を創った時代もあったわけなのですが、景気が低迷するとともに、自治体もお金がなくなってプロジェクトができない状態になりました。...最初は磯崎新さんがコミッショナーをやられていて、その後、高橋てい一さんがコミッショナーになられました。高橋さんの頃に「わたしたちのまちづくり」というかたちで、建築家が市町村に行って、ワークショップを開きながら、地元の人達と話をしながら建物を創っていこうという試みが始まったのですね。その時に伊東豊雄さんが副コミッショナーを担当されていて、僕が最初に熊本アートポリスに関わったのはその頃からです。...

出演者プロフィール

末廣香織
1961年大分県生まれ。建築家。有限会社エヌ・ケイ・エス・アーキテクツ主宰。1986年九州大学大学院建築学専攻修士課程修了。1986-90年SKM設計計画事務所勤務。1990-91年EAT一級建築士事務所代表。1991-94年ベルラーヘ・インスティテュート建築学大学院在学。1993年ヘルマン・ヘルツベルハー建築設計事務所勤務。1994-98 九州大学工学部建築学科助手。1998年NKSアーキテクツ共同主宰。2005年より九州大学大学院人間環境学研究科准教授

高松研究室作品展「the horizon」公開収録1

建築の地平1 展覧会とその意義

高松研究室学生+梅林克+松田達+五十嵐太郎+山田幸司

2009年10月11日 ASPHODEL MP3 26MB 37'54''

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左──3F展示風景
右──ポーランド歴史博物館設計コンペ参加作品「HARMONIUM」図面
撮影:平野利樹


松田──今日は、京都で行なわれている京都大学高松伸研究室の展覧会会場から公開収録を行ないます。プログラムは4部にわかれていまして、第1部では、展覧会に出展されている高松研究室の学生から、今回の展覧会の意図と位置づけ、過去の高松研究室の足跡をお話しいただきたいと思います。
政所──私たち高松研究室は、高松伸先生のもと、卒業設計の製作や学部の設計演習課題の指導、国内外の実施コンペなど、設計の実践に重点をおいて活動しています。また、活動を外に発信していこうということで、過去に6回展覧会を実施しました。「高松伸と私」展、「手話」展、「OPQ」展、「SYMPLICITY」展、昨年の「The Beyond」展、今年の「the horizon」展です。タイトルは、学生がブレインストーミングして抽出した言葉で、それをたどることで、私たちのテーマやコンセプトも見えてくると思います。......

出演者プロフィール

高松研究室学生
政所顕吾+平野利樹+上園宗也+千葉美幸

梅林克
1963年京都府生まれ。建築家。1987年大阪芸術大学芸術学部建築学科卒業。1987-94年、高松伸建築設計事務所勤務。1994年F.O.B Association設立。1999年益永みつ枝、藤脇慎吾らとともにF.O.B HOMES設立。立命館大学・京都精華大学・東京都立大学・京都大学、非常勤講師。1997年「AURA」で住宅建築賞受賞。2005年「BLANCREA」でグッドデザイン賞受賞。

グレン・マーカット インタヴュー

建築について

グレン・マーカット+村上心+北川啓介

2009年8月15日 自邸近くのカフェ(オーストラリア) MP3 14.9MB 21'39''

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マーカット──私の父がとてもよきアドバイスをしてくれました。あれはまだ私が若い建築家だったときです。建築の世界に入ることを考えることだけでなく、設計を進めていくうえでのさまざまな折衷や妥協の結果こそ、次のクライアントがみているのだと......。
北川──今日お邪魔したオーストラリアの緑溢れる森に囲まれた自邸で、私はオーストラリアの農家の建築と、さまざまな、しかも多くの相関を体感しました。
マーカット──漁師の家でも農民の家でも同様なことが言えるかと思います。時間を超えた誠実さ、正直さがそこにはあります。建築では風土や環境がその役割を為し、建築のクオリティを決めます......。
村上──オーストラリア国外で建築設計をされることがないと伺いましたが、もし仮に、日本の京都市内に建築を設計することになったらどうされますか。

※マーカット氏の発言はすべて英語です。

出演者プロフィール

グレン・マーカット
1936年イギリス・ロンドン生まれ。両親はオーストラリア人。1950-55年マンリー高校(シドニー)。1956-61年シドニー・テクニカル・カレッジ(現ニューサウスウェールズ大学)にて建築学の学位を取得。1964-69年アンカー、モートロック、マリー&ウーレイ建築事務所勤務(シドニー)。1969年事務所開設。1996年オーストラリア勲章。2002年プリツカー賞。

村上心
1960年生まれ。椙山女学園大学生活科学部生活環境デザイン学科教授。博士(工学)。1985年東京大学工学部建築学科卒業。1992年同大学工学系研究科博士課程満了。1997年蘭・デルフト工科大学OBOM研究所客員研究員。

北川啓介
1974年名古屋市生まれ。1996年名古屋工業大学卒業。1999年ライザー+ウメモト事務所。2001年同大学院修了、博士(工学)。名古屋工業大学大学院工学研究科准教授。共著に『ハイパーサーフェスのデザインと技術』など。受賞に日本建築学会東海賞(論文)など。マンガ喫茶、出会いカフェ、コスプレをこよなく愛して国の会議でも奨励する発言をする。
http://www.kitalab.jp/

Archi-TV2009 4

事前ワークショップを終えて

ArchiTV2009実行委員会メンバー+松田達

2009年9月12日 建築会館(田町)会議室 MP3 11.3MB 16'25''

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竹村──僕は都市環境の学生なので、普段の課題では1/1は考えたこともなかった。Archi-TVをはじめて、なんでここはネジ2本でとめているんだろうとか、このつり革はすごく良い高さだとか、街中で1/1を拾ってしまう。プロはもっと強く敏感なわけでしょう。これに参加してそう思いました。......
下大薗──......今日も2日間かけて事前ワークショップをしているけれど、タイムライン通りにいかず、やってみないと1/1の世界は見えてこない。それが逆に面白くて、そのライブ感が1/1なのかなという気がしています。......

出演者プロフィール

ArchiTV2009実行委員会メンバー
村山圭(東京理科大学 修士1年)[代表]
越光晋(横浜国立大学 Y-GSA 修士1年)
御供秀一郎(横浜国立大学 Y-GSA 修士1年)
竹村雄一(千葉大学 修士1年)
酒井麻央(千葉大学 修士1年)
下大薗将人(日本大学 修士1年)
三橋正典(日本大学 研究生)
北見友太(国士舘大学 修士1年)
栗生えりな(東京大学 3年)

Archi-TV2009 3 佐藤淳インタヴュー

事前ワークショップ:素材と身体

佐藤淳+松田達+村山圭+下大薗将人

2009年9月12日 建築会館(田町)会議室 MP3 12.5MB 18'10''

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松田──事前ワークショップの会場に移動しました。そろそろ竣工に近づいているそうなのですが、構造家の佐藤淳さんにも話を聞きたいと思います。現在の状況や、佐藤さんが昨日からどのようなことをされてきたのかお話いただけますか。
佐藤──昨日はレクチャーを行ないました。実際にものをつくる時、小さいものは勘でつくれるのですが、今回のように大きいものは簡単な構造計算をする必要が出てきます。[部材の性質に応じて]あたりをつけて進めないとビジョンのないままに製作が進んでしまいます。計算のやり方も、単純なモデル化をすると、かなり複雑なかたちでも手計算であたりがつけられる。そのような話をしました。とはいえ、どのようなものをつくりたいかが分からないと計算もできないので、昨日の段階では素材を見て、実際に組んでみながら、どのようなものがつくれそうか考えました。今回の素材には、アルミと木の枝を選んでいます。......

出演者プロフィール

佐藤淳
1970年愛知県生まれ。1995年東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程修了。1995から1999年まで木村俊彦構造設計事務所勤務。2000年、佐藤淳構造設計事務所設立。主な作品に《ツダ・ジュウイカ》(小嶋一浩/CAt)、《iz-house》(藤本壮介)、《公立はこだて未来大学研究棟》(山本理顕)、《四角い風船》(石上純也)など。

ArchiTV2009実行委員会メンバー
村山圭(東京理科大学 修士1年)[代表]
下大薗将人(日本大学 修士1年)
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建築についてのさまざまな話題を音声番組として全国配信する「建築系ラジオ/ r4」。音声が持つ可能性とネットのアーカイブ性を組み合わせた、新しい建築メディアの試みです。「r4」は、パイロット版を経て、4人のコアメンバー が4つの"r"をキーワードとしてあげることから名付けられました。建築家への インタヴューの他、学生を交えた連載番組や、公開討議など、多彩な構成 で、建築について語ります。

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