建築系ラジオ r4 現代建築を語る・聞く・読む

全体討議 第二期始動へ向けて

第二期へ向けての5つの方針(案)

五十嵐太郎+南泰裕+松田達+倉方俊輔+天内大樹

2010年1月18日 南洋堂書店 N+ギャラリー MP3 7.1MB 15'30''

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昨年11月、不慮の事故により山田幸司さんがお亡くなりになりました。建築系ラジオでは新たな協力者を加えて、2010年1月から第二期を始動します。

松田──第二期の始動にあたって、年末くらいからコアメンバーを含めたいろいろな方にお話を聞き、方針を考えてきました。......今日は、決定事項ではありませんが、現段階でこのように考えている、ということをお話ししたいと思います。ひとつは、新コアメンバーとして倉方俊輔さん、大西麻貴さんを迎えたいと考えています。......

『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』をめぐって 2

歴史編 第二部「建築家と他者」

南泰裕+五十嵐太郎ほか

2010年1月18日 南洋堂書店 N+ギャラリー MP3 8.2MB 17'59''

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南──この本は4部構成なので、第二部は起承転結の承、つまり盛り上がりの部分です。全体のイントロ的な印象があるで、読者にとっては一番入りやすいのではないでしょうか。......ジェンダー論では女性と建築との関わりなどについて書かれています。また、自伝論では建築家の自意識、建築家とはいかなるものかが語られています......この本のタイトルにもなっている「建築はいかに社会と回路をつなぐのか」では、新しい時代の建築家像が提供されていておもしろい。僕もひとごとではないなと、身につまされるところがありました......



『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』
著者:五十嵐太郎
発行:彩流社
発行日:2010年1月20日
サイズ:288頁
価格:2,310円(税込)

テーマ討議 第一期を振り返る

第一期おすすめコンテンツ

五十嵐太郎+南泰裕+松田達+倉方俊輔+天内大樹

2010年1月18日 南洋堂書店 N+ギャラリー MP3 12.6MB 27'28''

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昨年11月、不慮の事故により山田幸司さんがお亡くなりになりました。建築系ラジオでは新たな協力者を加えて、2010年1月から第二期を始動します。

松田──今日は五十嵐さん南さんのほか、新たな協力者として、倉方さん、天内さんに来てもらっています。この1年数カ月のあいだに250以上のコンテンツがあがっていますが、このなかからいくつか印象的なものをあげていただければと思います。
倉方──たくさんあるのですが、これからラジオを聞き始める人には、テーマ討議の建築系ラジオ忘年会「2009年の展望を考える」。ラジオのはじまった経緯なども言及されていておもしろい。それから、建築系ラジオ新春企画「YSSK TIMEとの合同収録」の合同収録ですね。......
天内──私があげたいのは、都市系ラジオの企画会議です。著者が著書をブロークンなかたちで伝えていたのが印象的でした。美学では、ひとりの主体がつくるものや自然に対しては言及していますが、都市についてはけっこう手つかずです。だからとても興味深かった。ほかは、伊藤俊治インタヴュー。「装飾はこれからくるぞ」と発言されているんです。僕自身も最近装飾が気になっているので、ここにも装飾がおもしろいと感じている人がいるんだなと思いました。......

『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』をめぐって 1

歴史編 第一部「共同体と他者」

出口綾子(彩流社)+倉方俊輔+五十嵐太郎ほか

2010年1月18日 南洋堂書店 N+ギャラリー MP3 11MB 24'06''

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出口──2007年の春に五十嵐さんに執筆を依頼したところからはじまり、3年越しの夢がかたちになった本です。もともと建築にはあまり目がいっていなかったのですが、南さんの『ブリコラージュの伝言』をつくったのが縁で、建築家の仕事に興味をもちました。......最初は建築家の方が話す言葉はあまりわからなかったのですが、その後、五十嵐さんや南さんの本を読むようになり、是非本をつくりたいと思うようになりました。......
倉方──歴史編第一部は、一番本数は少ないけれども一番頁数が多く、長編がつまっています。五十嵐太郎という人間の20世紀の論考が集まっている。僕はほとんどの論考を初出で読んでいるので、新しい発見はなかったのですが、松岡正剛を思わせるようなすごい知識で、歴史的な価値があると思います。でもやはり、10年前の五十嵐太郎よりも、いまの五十嵐太郎の方が魅力的だと思います。......



『建築はいかに社会と回路をつなぐのか』
著者:五十嵐太郎
発行:彩流社
発行日:2010年1月20日
サイズ:288頁
価格:2,310円(税込)

聴けば読んだ気になるブックレヴュー 第1回

『藤森照信 21世紀建築魂』

市川紘司+菊地尊也+加藤拓郎+大橋秀允+五十嵐太郎

2009年12月22日 東北大学 MP3 25.6MB 27'56''

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東北大学の学生を中心に、主に建築系書籍の新刊レビューを行なう新シリーズです。

五十嵐──白派は極めることができるのに対して、赤派は多様な現われになるという理解でいいですか? 藤森さんが伊東豊雄さんの発言を受けて考えを修正したというのはその部分でしょうか。
市川──昔であれば、妹島さん以降の石上純也さんもゼロに向かうための建築とをつくっているということで、白派に位置づけられていましたが、例えば藤本さんの《Tokyo Apartment》は、身体的、具象的、バウハウスから一本軸では説明できないだろうということで、無理ができたので、捉え直しています。......



『藤森照信 21世紀建築魂──はじまりを予兆する、6の対話』
著者:藤森照信
発行:INAX出版
発行日:2009年6月30日
サイズ:A4判/112頁(カラー)
価格:2,205円(税込)

セシル・バルモンド インタヴュー2

Deep Structure

セシル・バルモンド+野村しのぶ(東京オペラシティアートギャラリー)+松田達

2009年10月18日 東京オペラシティアートギャラリー MP3 12.1MB 17'39''

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松田──音楽に構造は必要だと思われるでしょうか。
バルモンド──そうですね。すべてものは、意味を与えるために構造が必要だと思います。構造は繰り返しがあってつまらないものだけれど、構造自体はアダプティヴ(適応可能)なものです。変化できる構造は、変化できない構造よりも、豊かな意味を与えることができます。構造がなければ(ここでは建築の構造という意味ではないですが)、あるものとあるものをつなげることができません。それについて話すことができないために、意味を与えることができない。言語は(名詞として、動詞として、目的語として)、会話に構造を与えることができます。もし構造がなければ単語は孤立して浮いてしまうでしょう。即興演奏をするような偉大な人たちは、深い深い構造を持っているのです......
松田──音楽では誰が一番好きですか。
バルモンド──ジャズだとコルトレーンですね。でも同時にガムラン音楽やナイジェリアのドラムも好きです。......

※このインタヴューはすべて英語です。

出演者プロフィール

セシル・バルモンド(Cecil Balmond)
1943年生まれ。建築構造家。スリランカ出身。英国サウサンプトン大学卒業後、1966年、オーブ・アラップに入社。レム・クールハースやダニエル・リベスキンドら著名な建築家の作品の構造設計を担当。現在、ペンシルバニア大学教授。主な構造設計作品に《カーサ・ダ・ムジカ》(レム・コールハース、2003)、《CCTV新社屋》(レム・コールハース、2008)など。

セシル・バルモンド インタヴュー1

「エレメント」展について

セシル・バルモンド+野村しのぶ(東京オペラシティアートギャラリー)+松田達

2009年10月18日 東京オペラシティアートギャラリー MP3 18MB 26'12''

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松田──今日は東京オペラシティアートギャラリーにて、セシル・バルモンドさんにインタヴューします。来年この場所で開かれる展覧会のコンセプトと概要についてお話いただければと思います。
バルモンド──東京での展覧会は「エレメント」というものです。エレメントとしての自然という考えに対して、抽象的なエレメントです。建築家としてわれわれがデザインするとき、抽象化を経てから現実化します。このギャラリーでは二種類の空間を見せたいと思います。ひとつは自然についてのもので、絵画やドローイングから生まれてきた川、水などあらゆるものです。もうひとつはそれと対照的に、抽象的なインスタレーションです。フラクタルがどのように見えるかということも日本の皆さんにお見せしたいと思います。フラクタルについてわれわれは多く話しているのに、その意味をあまり知らないからです。フラクタルがどのようなものかわかる部屋をつくります。もちろん私のプロジェクトも紹介します。 展覧会は興味深い体験となるでしょう。......

※このインタヴューはすべて英語です。

出演者プロフィール

セシル・バルモンド(Cecil Balmond)
1943年生まれ。建築構造家。スリランカ出身。英国サウサンプトン大学卒業後、1966年、オーブ・アラップに入社。レム・コールハースやダニエル・リベスキンドら著名な建築家の作品の構造設計を担当。現在、ペンシルバニア大学教授。主な構造設計作品に《カーサ・ダ・ムジカ》(レム・コールハース、2003)、《CCTV新社屋》(レム・コールハース、2008)など。

山崎泰寛インタヴュー

建築外からのモチベーション 保健室から建築へ

山崎泰寛+松田達

2009年10月10日 京都(鴨川を臨むカフェのテラス) MP3 19.4MB 28'16''

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松田──山崎さんは、建築出身ではないのに、建築や空間に興味を持って建築雑誌の編集もしています。さらに建築関係の課外活動もしていますが、こういったモチベーションはどこから生まれているのでしょうか。
山崎──保健室の研究をしている時に建築は面白いと気づいたのです。研究では、保健室が都市的に位置づけられるということがわかりました。学校制度のなかにおさまりきらない、もしくは制度のなかでは否定されるようなことが保健室では受容される。保健室には制度内制度のような空間があるのです。......

出演者プロフィール

山崎泰寛
1975年生まれ。編集者。横浜国立大学大学院教育学研究科、京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。SferaExhibition/Archiveを経て、建築ジャーナル編集部勤務。藤村龍至とroundabout journal共同主宰。主な論考に「葛藤する家具」(10+1 No.18、INAX出版、1999)、「都市は学校でつくられる」(10+1 No.29、INAX出版、藤村龍至と共著、2002)など。

STREAM DEW 2009展 セッション1

「ものづくりの現在(いま)」について

藤本裕之(清水建設 Stream Dew)

2009年12月18日 INAX:GINZA 8Fセミナールーム MP3 11.4MB 16'39''

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藤本 ──現在行なっております展示は「清水のものづくりの現在」と題しまして、3つのものづくりストーリーを展示させていただいております。1番目は「ものづくりのプロセスをかたちにする」ということで新本社のプロジェクトでございます。......建築雑誌などを見ますと平凡でつまらないという評価もあります。そこで実はわれわれなりに、ものづくりの思いを込めてこれをつくっているということをご披露させていただければと思います。......

出演者プロフィール

藤本裕之
1962年東京生まれ。横浜国立大学大学院修士課程修了。1987年清水建設株式会社設計本部入社。現在、設計本部 商業・宿泊施設設計部 グループ長。2009年よりstream DEW委員会委員長。

stream DEWインタヴュー

清水建設 stream DEW 2009展

stream DEW+松田達

2009年12月18日 MP3 13.7MB 19'55''

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松田──12月18日から24日まで「清水建設 stream DEW 2009展」が行われています。今日は、展覧会に関して清水建設の藤本裕之さんとstream DEWのチームの皆さまにインタヴューをしたいと思います。
藤本──Stream Dewは清水建設の設計プロポーザル系の若手が30人程集まり、組織を超えた活動を目標としています。コンペや合宿をしたり、今回のような展覧会をしたり、清水建設の作品集をつくったり......それによって社内にひとつのムーブメントをつくろうとしています。dewというのは雫という意味で、一人ひとりの雫が流れとなって新しいことに挑戦していくきっかけとなればと思っています。......

出演者プロフィール

stream DEW
藤本裕之+加藤万貴+石谷貴行+重松英幸+間島梓
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About r4

建築についてのさまざまな話題を音声番組として全国配信する「建築系ラジオ/ r4」。音声が持つ可能性とネットのアーカイブ性を組み合わせた、新しい建築メディアの試みです。「r4」は、パイロット版を経て、4人のコアメンバー が4つの"r"をキーワードとしてあげることから名付けられました。建築家への インタヴューの他、学生を交えた連載番組や、公開討議など、多彩な構成 で、建築について語ります。

r4コアメンバープロフィール

五十嵐太郎 松田達 山田幸司 南泰裕