全体討議 学生時代にやっておくべきこと5(最終回)

海外を目指す──スイス建築学校情報

堀井義博+松田達

2008年2月 8日 国士舘大学スカイラウンジ+松田達建築設計事務所 MP3 25.2MB 36'43''

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会場の様子
松田──[スイスにある]4つの種類の学校のうち、建築を学んだ日本人が行く可能性のあるのはどこでしょうか。
堀井──Gymnasium(工業専門学校)というのはもっぱら図面を書いたり模型をつくったりと技能教育の一番基本になっているようなところなのですが、日本の大学で一度技能教育を受けた人なら、たぶんGymnasiumは選択肢に入らないんじゃないかな。そうすると、Hochschule(工業大学、単科大学)かUniversität(総合大学)か、Fachhochschule(専門大学)になります。そのなかで特によく知られている学校は、僕がかつて勤務していた、スイス連邦工科大学(ETH)ですね。......

出演者プロフィール

堀井義博
1967年大阪生まれ。京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科卒業、同大学大学院博士前期課程造形工学専攻修了。2002年より0110110 architects 設立。2006年より東海大学工学部建築学科非常勤講師。
http://www.0110110.com/
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山田幸司山田幸司山田幸司+南泰裕+松田達
山田──僕の場合は大学院に行くというイメージをまったく持っていなくて、卒業したらとにかく早く設計事務所に行って経験を積んで一人前の建築家になりたいと思っていました。歴史などは明確な学問ですが、設計はやはり職能である部分が非常に大きい。......本で勉強する知識では限界があるんですよ。現場に行って実際に見ると、本に書いていない解決法を思いついたり、新しいデザインの可能性というのを生む切っ掛けになるんですね。......"

全体討議 学生時代にやっておくべきこと4(後半)

建築と就職──建築学科はつぶしがきくか?

倉方俊輔

2008年2月 6日 国士舘大学スカイラウンジ MP3 15.8MB 22'59''

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倉方俊輔氏会場の様子
倉方──今の時代は、人間の寿命よりも会社の寿命の方が短いとよく言われますよね。......もう一生同じ会社に勤めることはありえない。職種も、もしかしたら自分の勤労年数より短い可能性は充分あり得るわけです。そんななかで個人がサヴァイヴしていくためには、「つぶしがきくか」が重要な要素になってくると思うんです。建築学科が、「建築」という枠組みがなくなったあとでも、サヴァイヴしていけるような学科であれば、みんな来ると思うんですよね......"

出演者プロフィール

倉方俊輔
1971年東京都生まれ。建築史家。博士(工学)。慶應義塾大学・芝浦工業大学非常勤講師。著書に『吉阪隆正とル・コルビュジエ』『東京建築ガイドマップ』ほか。
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大成優子氏大成優子氏+松田達
大成──まだ[大学院に]行けるっていうのが選択肢として残っているんですね。妹島事務所のときに外国から来ている人がいて、「外国だと学部を出て社会に出た後に、もう一回院に戻ってくるなんて普通だよ」「なんで日本の人はみんなそのままいっちゃうの」って言われて。それがすごく新鮮で。そのころはこういう研究をしたいというものがなかったけれど、[社会に出て]実際に何かをつくってみたり、手を動かしてみたりすることを通して、自分の興味のあることが絞られてくることで、今だとこういうことなら調べてみたいとか、こうすればいいかなとか、逆に冷静に見えてくるという気がします。

出演者プロフィール

大成優子
1974生まれ。東京工業大学工学部建築学科卒業。1997-2002年妹島和世建築設計事務所勤務。2002年大成優子建築設計事務所設立。京都造形芸術大学非常勤講師。受賞=JCD デザイン賞2003大賞(2003)、第24 回INAX デザインコンテスト入賞(2003)、卒業設計大岡山建築賞銀賞(1997)。
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樫原徹氏会場の様子
樫原──東京に来て、原広司先生が退官するときの研究のお手伝いをしたんですね。それが人口問題を都市の問題として考え始めるきっかけでした。同時代にMVRDVが同じことをはじめていて、そういったことを展開したいなと思って進学しました。でも、まじめに研究していたかのように装っていますが、松田くんとも一緒にいろんなことをやりました。ランドスケープの設計を一緒にやったり、ちょっとしたコンペに勝って実施の仕事があったりと、メンタリティとしてはプロの設計者という気分を延長したかったということもあったんですね。

出演者プロフィール

樫原徹
1972年兵庫県生まれ。建築家。明治大学、横浜国立大学非常勤講師。1996年京都大学工学部建築学科卒業。1998年東京大学大学院修士課程修了。2001年東京大学大学院博士課程中退。受賞= ジャパンアートスカラーシップ最優秀賞(1999)、D&AD賞 Silver Awards(2008)

全体討議 学生時代にやっておくべきこと2

勉強会のススメ

五十嵐太郎

2008年2月 6日 国士舘大学スカイラウンジ MP3 14.1MB 30'43''

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五十嵐太郎会場の様子
五十嵐──バンドをずっとやっていて、見事に大学院の試験に落ちました。落ちてからはひたすら建築のことをやっていたんだけど、大学院のときには4つか5つの読書会をまわしていたんです。多分、全部出ていたのは僕だけだと思います。読書会は、複数の人がお互いどう考えているかも知れるし、レジュメにコンパクトにまとめる能力もつく。いま思うと相当大きな財産になっています。そういえば東浩紀も一年のときからやっていたよね。松原弘典くんも東くんと同人誌をやっていて、まずそれで名前を覚えるんだよね......

全体討議 学生時代にやっておくべきこと1

製図室で何をすべきか?

堀井義博

2008年2月 6日 国士舘大学スカイラウンジ MP3 10.1MB 22'06''

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会場の様子堀井義博氏
堀井──僕は、「レム・コールハースに会わなかったら俺の人生はじまらないじゃん」と思って、会いにいきました。いまの学生がもしコールハースに会いにいこうと思ったら、何の苦労もいらない。なぜか? [インターネットに]キーワードを叩き込めば、すぐに情報が出てくるから。でも僕のときは大変だったんです。まず住所さえ分からない。住所が分からなかったら、オランダに行ったところで広いんだから......(笑)いまは自分の頭に接続されている自分以外の知識のストックがいくらでもあって、それが毎日増えているんです。それを使わないっていうのはおかしい。
五十嵐──要するに、いまの学生はもっと徹底的に使えってこと?
堀井──そうそう。

出演者プロフィール

堀井義博
1967年大阪生まれ。京都工芸繊維大学工芸学部住環境学科卒業、同大学大学院博士前期課程造形工学専攻修了。2002年より0110110 architects 設立。2006年より東海大学工学部建築学科非常勤講師。
http://www.0110110.com/
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建築についてのさまざまな話題を音声番組として全国配信する「建築系ラジオ/ r4」。音声が持つ可能性とネットのアーカイブ性を組み合わせた、新しい建築メディアの試みです。「r4」は、パイロット版を経て、4人のコアメンバー が4つの"r"をキーワードとしてあげることから名付けられました。建築家への インタヴューの他、学生を交えた連載番組や、公開討議など、多彩な構成 で、建築について語ります。

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