PLAY
南──台湾に興味をもたれて研究をはじめられたきっかけを教えてもらえますか。
青井──僕は大学院で西川幸治・布野修司研究室でした。30人くらいの大所帯で、そのうちの3分の1が留学生だったと記憶しています。台湾、韓国、中国、インドなどアジアが多かったと思いますが、僕は特に台湾、韓国の留学生の先輩とお話しするのがとてもおもしろかった。......日本が植民地支配をすることによって、彼らの文化はハイブリッドになっているんですね。......その感覚で彼らは話をするし、政治についても当たり前のように議論ができる。日本の学生の話し方や考え方とのあいだにはものすごくギャップがあって......
出演者プロフィール
青井哲人
1970年生まれ。京都大学卒業、同大学院修了。明治大学理工学部准教授。著書に『植民地神社と帝国日本』『彰化 一九〇六年〜市区改正が都市を動かす〜』ほか。
関連項目
南洋堂書店
http://www.nanyodo.co.jp/
*このインタヴューは、7月25日に南洋堂書店にて行なわれた、N+スクール vol.13 青井哲人「台湾都市の解剖学~私のフィールドワークから~」修了後、南洋堂屋上のルーフテラスにて収録を行ないました。
PLAY
山中──今回は三つの大学(昭和女子大学・日本大学・国士舘大学)が、東京をさわっていくような、触知するようなかたちでそれぞれサーヴェイを行ないました。三つの大学では、東京を断面的に見てそれぞぞれの調査領域を分けたんですね。国士舘大学は空から見た視点で、昭和女子大学は地表をなめるような視点で、そして私たち日本大学は地下に潜るという視点で。地下というのは地上を見るのと違いよく分からない、じっくり見てみると何か新しい発見があるのではないかと思って始めました......
PLAY
杉浦──なぜこのテーマでやろうとしたかというと、まず東京を身体で感じたいという思いがありました。そこで、私たちは地をはうような視線で東京を体感し、それを記述することにしました。アップダウンが多い東京の地形ですが、この地形的特徴を等高線のようなもので表現するのではなくて、そこでの経験や身体感覚をどのように表現できるかと考え、チャレンジしました。......
*フィールドワークの詳細については『建築雑誌』2009年10月号(2009.10.1発刊)をご参照ください。
PLAY
石川──仕事柄、地表に関心が向く傾向があるのですが、そういう自分を相対化するツールとして、地図を多用しています。......もし人間が都市活動をまったく停止したら、数百年後、究極的にどのような植生が成立するかを推測した「潜在自然植生図」という図があるんですね。それをみると、東京はほとんど常緑のうっそうとした森で覆われるということが分かります。......そういう地図を見てから外にでかけてみると、電柱の下に生えているタンポポが森林の始まりに見えたりするんですね。......
>>当日紹介された図版を見る(石川初氏の個人サイトが開きます)>>
出演者プロフィール
石川初
1964年京都府生まれ。東京農業大学農学部造園学科卒業。共著に『ランドスケープ批評宣言』ほか。
ディスカッション 都市を所有する
山中新太郎+杉浦久子+石川初+コアメンバー
2009年8月13日 渋谷のアップリンク内カフェ「タベラ」 MP3 9.9MB 14'26''
PLAY
松田──東京の微地形をみることで何が見えてくるのでしょうか。そこに新しい東京論の可能性はありますか。
山中──今回の企画のスタートは「アーキニアリング展」なんですね。......そのときに南先生の研究室と、過去50年ぐらいに起きた東京のプロジェクトを全部洗い出したんです。それをみて、最初は自分たちが何かのプロジェクトをつくってやろうという、野心的な気持ちがあった。ただ、実際にやろうとしたときに、どうしてもそれにリアリティを感じられなかったんですね。......自分たちがリアリティを持てる東京論ってなんだろうかって考えたときに、「身体で感じられる」という方向に段々とシフトしていったんです。それが新しい東京論に繋がるのではないかなと思っています。
関連項目
・UPLINK(アップリンク)
http://www.uplink.co.jp/top.php
*今回の収録では、UPLINKに場所を提供していただきました。
・全体討議 東京論──新しい地形としての東京 配信予定
1. 東京論の系譜/新しい東京の地形に向かって……南泰裕 8/27
2. 東京を潜る──アンダーグラウンド・コラージュシティ
……山中新太郎 9/7
3. 東京を漕ぐ──チャリーディング・ノーテーション
……杉浦久子 9/10
4. 東京を擦る──スクラッチ・ザ・アーバンサーフェース
……石川初 9/17
5. ディスカッション 9/24
PLAY
天内──坂倉さんの活動の全体というのは、特に住宅はあまり知られていませんし、公の団地の仕事でも、どこに記録が残っていて、どこまでが坂倉準三の仕事なのかわかりにくいと思います。資料集めで苦労なさった点はありますか。
大村──資料の多くは坂倉事務所からお借りしているのですが、まだまだ未整理の部分があって、保管庫にある膨大な数の図面のなかから展覧会に沿ったものをひっぱり出してもらいました。今回大変だったのは聞き取り調査ですね。もちろん坂倉準三が生きていれば本人から話を聞けばいいのですが、当時作品を担当したOBをはじめ、関係者、クライアントに話を聞いてまわって......
出演者プロフィール
大村理恵子
1969年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。人間関係学科人間科学専攻。ワタリウム美術館などを経て、現在、パナソニック電工汐留ミュージアム学芸員。
天内大樹
1980年東京生まれ。2008年東京大学大学院(美学芸術学)博士課程単位取得満期退学。現在日本学術振興会特別研究員(PD、大阪大学)、國學院大学兼任講師。共訳書にエイドリアン・フォーティー『言葉と建築──語彙体系としてのモダニズム』(鹿島出版会2006)、共著書に柳沢田実編『ディスポジション:配置としての世界』(現代企画室2008)。分離派建築会についての論文を準備中。
関連項目
テーマ討議 坂倉準三展をめぐって
1.建築展と資料保存──二つの「坂倉準三展」から 9/11
2.家具から都市へ──坂倉準三の仕事 9/14
3.日本的なるものへの意識──坂倉準三と美学 9/17
建築家 坂倉準三展
モダニズムを住む 住宅、家具、デザイン
会場:パナソニック電工 汐留ミュージアム
会期:10:00〜18:00まで
*入館は17:30まで
詳細:
美術館ウェブサイト
家具から都市へ──坂倉準三の仕事
大村理恵子+天内大樹+五十嵐太郎+南泰裕
2009年9月 7日 パナソニック電工 汐留ミュージアム MP3 15.2MB 22'07''
PLAY
南──よく言われるように、建築家というのは指揮者であり、アレンジャーであり、映画監督のようなものです。非常に幅広いネットワークと交友関係のなかで、坂倉準三という署名性を帯びた建築を沢山つくるんだけれども、ある部分では、デザインに対するこだわりはなかったのかもしれないと思うんですね。
大村──確かに、新宿の西口広場とか、あれも坂倉準三だったの? というものが沢山ありますね。高速道路の料金所も、標準設計を坂倉準三がやっています。知らずに私たちの生活のなかに浸透していて、いまでも現役で使われているのはおもしろいと思います。
出演者プロフィール
大村理恵子
1969年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。人間関係学科人間科学専攻。ワタリウム美術館などを経て、現在、パナソニック電工汐留ミュージアム学芸員。
天内大樹
1980年東京生まれ。2008年東京大学大学院(美学芸術学)博士課程単位取得満期退学。現在日本学術振興会特別研究員(PD、大阪大学)、國學院大学兼任講師。共訳書にエイドリアン・フォーティー『言葉と建築──語彙体系としてのモダニズム』(鹿島出版会2006)、共著書に柳沢田実編『ディスポジション:配置としての世界』(現代企画室2008)。分離派建築会についての論文を準備中。
関連項目
テーマ討議 坂倉準三展をめぐって
1.建築展と資料保存──二つの「坂倉準三展」から 9/14
2.家具から都市へ──坂倉準三の仕事 9/16
3.日本的なるものへの意識──坂倉準三と美学 9/17
建築家 坂倉準三展
モダニズムを住む 住宅、家具、デザイン
会場:パナソニック電工 汐留ミュージアム
会期:10:00〜18:00まで
*入館は17:30まで
詳細:
美術館ウェブサイト
PLAY
天内──堀口捨己の《紫烟荘》は、茅葺き屋根に近代建築的な白い箱が無理矢理接合されています。そのころの邸宅には、和洋折衷というか、和洋が併置されているものが多くありました。堀口さんの場合は、小住宅のなかで両者がより暴力的に接合されたんですね。それに対して坂倉準三の住宅は、日本的なものと西洋的なものが無理なくミックスされているような印象を受けます。......
出演者プロフィール
大村理恵子
1969年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。人間関係学科人間科学専攻。ワタリウム美術館などを経て、現在、パナソニック電工汐留ミュージアム学芸員。
天内大樹
1980年東京生まれ。2008年東京大学大学院(美学芸術学)博士課程単位取得満期退学。現在日本学術振興会特別研究員(PD、大阪大学)、國學院大学兼任講師。共訳書にエイドリアン・フォーティー『言葉と建築──語彙体系としてのモダニズム』(鹿島出版会2006)、共著書に柳沢田実編『ディスポジション:配置としての世界』(現代企画室2008)。分離派建築会についての論文を準備中。
関連項目
テーマ討議 坂倉準三展をめぐって
1.建築展と資料保存──二つの「坂倉準三展」から 9/14
2.家具から都市へ──坂倉準三の仕事 9/16
3.日本的なるものへの意識──坂倉準三と美学 9/17
建築家 坂倉準三展
モダニズムを住む 住宅、家具、デザイン
会場:パナソニック電工 汐留ミュージアム
会期:10:00〜18:00まで
*入館は17:30まで
詳細:
美術館ウェブサイト
PLAY
松田──今日は田町の建築会館に来ています。こちらで2009年度建築文化週間の学生ワークショップ、「Archi-TV2009」の企画実行委員会のメンバーと話をしています。今年のテーマは「建築道─1/1のリアル─」です。今日は事前ワークショップをやっていて、構造家の佐藤淳さんが学生の指導に来られ、ある2つのオブジェクトをつくろうとしています。ここに、実行委員会のメンバーも9人来ていますので、それぞれに自己紹介してもらい、その後、これまでどのようなことをやってきたのか、聞きたいと思います。......
出演者プロフィール
ArchiTV2009実行委員会メンバー
村山圭(東京理科大学 修士1年)[代表]
越光晋(横浜国立大学 Y-GSA 修士1年)
御供秀一郎(横浜国立大学 Y-GSA 修士1年)
竹村雄一(千葉大学 修士1年)
酒井麻央(千葉大学 修士1年)
下大薗将人(日本大学 修士1年)
三橋正典(日本大学 研究生)
北見友太(国士舘大学 修士1年)
栗生えりな(東京大学 3年)
PLAY
村山──最初は仙台(「卒業設計日本一決定戦」)とは違って、大学ごとの差異を見ていきたいということで、大学対抗戦を考えていたのです。......
松田──仙台では大学ごとに対抗しつつも個人で争うわけですが、それに対して今回は、1/1(テーマ:「建築道─1/1のリアル─」)を作ることで大学の違いが見やすくなるということですよね。
越光──「リアル」という言葉が出てきたのは、現代の大学生が何を考えているのか、生の話を聞きたかったからです。......学生だけでなくメディアに出てくるような有名建築家、施工会社、お金の部分など、生の部分、泥臭い部分を出していけたら面白い企画になるのではないかと思いました。
出演者プロフィール
ArchiTV2009実行委員会メンバー
村山圭(東京理科大学 修士1年)[代表]
越光晋(横浜国立大学 Y-GSA 修士1年)
御供秀一郎(横浜国立大学 Y-GSA 修士1年)
竹村雄一(千葉大学 修士1年)
酒井麻央(千葉大学 修士1年)
下大薗将人(日本大学 修士1年)
三橋正典(日本大学 研究生)
北見友太(国士舘大学 修士1年)
栗生えりな(東京大学 3年)