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94 モスクワ

モスクワ、構成主義の遺産
モスクワの構成主義時代の遺産を紹介できるように写真を選択した。また最近のプロジェクトからは、モスクワの新しい傾向を読み取ることができるだろう。
ロシア構成主義の強大さを考えることも興味深いし、ヨーロッパ中に広範な影響を与えた1920年代と30年代におけるロシア・アヴァンギャルドの遺物を知ることも興味深い。この時期のモスクワはたいへん生産的であり、ル・コルビュジエやワルター・グロピウスといった著名な建築家にもインスピレーションを与えた。ソヴィエトとヨーロッパのあいだで、建築家や芸術家のオフィシャルな協力は多くはなかったが、共通のアイディアを理解することは容易だった。
革命後のロシアにおいて、生活、労働、思考の新しい方法を実行する必要があったため、建築家には非常に重要な役割が与えられた。帝政ロシアの無力なシステムが、新しい社会的価値へと置き換わり、田舎の帝国が近代的な工業国へと変化しなければいけなかった。その任務の大きさをとらえることは難しい。しかし創造的熱狂や独創性のあったレーニン時代の空気と、折衷的で抑圧的なスターリン時代の空気の違いは明らかである。
今日、社会主義の社会的コンセプトにおける問題点と失敗ははっきりと見ることができる。しかしわたしが興味をもっているのは、現代社会が労働と生産のために、なにか役に立ち世界を助けることができるものを創造するという信念とともに、芸術家、建築家、哲学者、そして社会の他の領域を再び結びつけるようなアイディアを見つけられるのかどうかということである。

Moscow, Constructivist heritage
Selection of the pictures that I have made is trying to show heritage that constructivist period left in Moscow. Among other you will be able to find more recent projects which are there as an attempt to show new tendencies also.
It was very interesting to think about the size and strength of the constructivist movement but also rest of the Russian avant-garde during the 20's and 30's and the vast influence that it had on all Europe. That period was not only very productive but also very inspiring for famous names like Le Corbusier or Walter Gropius. Even thought there was small number official cooperation between Soviet and European architects and artists, the mutual ideas are easy to determine.
The role of an architect was given great importance as there was need of implementing new way of living, working, thinking in post-revolutionary Russia. Lethargic system of imperial Russia had to be replaced with new socialistic values and to make rural empire into modern industrialized country. The size of the assignment is hard to grasp but the clear difference between atmosphere of creative enthusiasm and originality under Lenin and eclectic and repressing state under Stalin.
Today it is clearly to see the problems and mistakes in social concepts of socialism but I am interested if the contemporary society will be able to find idea which will again unify artist, architects, philosophers and the rest of society to work and produce with the believe that they are creating something good, something that can help the world.

Janko Radojević
Graduated engineer of architecture, University of Belgarade
Master Degree Candidate, The University of Tokyo



[撮影者:ヤンコ・ラドイェヴィッチ(ベオグラード大学建築学部卒業、東京大学大学院工学系研究科建築学専攻修士課程在籍)]

→ 「公開の原則と著作権について」

pic  ズラブ・ツェレテリ《ピョートル大帝像》

pic  Y・シューコ、P・プラトノフ《全ロシア博覧センター 中央パヴィリオン》

pic  V・S・アンドレイェフ、I・G・タラノフ、M・M・リマノフスキー(構造デザイン)、G・B・ゴードン(ドーム構造デザイン)《全ロシア博覧センター スペース・パヴィリオン》

pic  ファイディシュ=クランディエフスキー(彫刻家)、A・N・コルチン(建築家)、M・O・バルシシュ《宇宙征服者のためのモニュメント》

pic  ヴェスニン兄弟《リカチェフ文化宮(リカチェフ氏による自動車工場)》 [1]

pic  ヴェスニン兄弟《リカチェフ文化宮(リカチェフ氏による自動車工場)》 [2]

pic  イリヤ・ゴロソフ《ズーエフ労働者クラブ》

pic  コンスタンティン・メーリニコフ《ルサコフ労働者クラブ》

pic  コンスタンチン・メリニコフ《イントゥーリスト・ガレージ》

pic  コンスタンチン・メリニコフ《メリニコフ自邸》

pic  I・S・ニコラーエフ《テキスタイル学院の学生共同住宅》

pic  A・N・ペメランツェフ、V・G.・シューホフ《GUM》

pic  D・ブルディン, V・クリモフ, Yu・レバイェフ, Yu・マテャソフ《イズマイロヴォ・アルファ・ホテル》

pic  《イズマイロヴォ野外市場》

pic  マトリョーシカ人形

pic  クレムリンの壁

pic  赤の広場

pic  コンスタンティン・トン《救世主ハリストス大聖堂》

pic  レフ・ルドネフ《モスクワ大学(M・V・ロモノーソフ記念モスクワ国立総合大学)》

pic  V・G・ゲルフレイフ、M・A・ミンクス《外務省》

pic  アルカディ・モルディヴィノフ、ヴチャスラフ・オルタルジェブスキー《ウクライナ・ホテル》

pic  フョードル・オシポヴィッチ・シェフテル《マクシム・ゴーリキー邸》

pic  A・V・シューセフ, I・フランツース, I・ヤスコヴィエフ《ナルコムゼン・ビル(旧農業人民委員会)》

pic  NPS・チョーバン・ヴォス《フェデレーション・タワー》

pic  社会主義リアリズム・アパートメント

pic  モスクワの地下鉄駅 [1]

pic  モスクワの地下鉄駅 [2]

pic  モイセイ・ギンズブルク《ナルコムフィン・アパートメント》 [1]

pic  モイセイ・ギンズブルク《ナルコムフィン・アパートメント》 [2]

pic  ロシア科学アカデミー

pic  ウラジミール・シューホフ《シューホフのラジオ塔》

pic  ル・コルビュジエ《セントロソユーズ》

 


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