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81 エンリク・ミラージェス

エンリク・ミラージェスは2000年に45歳という若さで亡くなったスペインのカタルーニャを代表する建築家の一人である。日本においても磯崎新に招聘され富山県に作品を残している。
彼の建築には、冷静で客観的な統御と情熱的な勢いある奔放さという対極的なものを内包するカタルーニャ人の気質のようなものが滲み出ている。それは例えば非常に繊細で美しいドローイングと、大胆な造形やスケール感の建築との間の対話関係のように、さまざまな要素が緊張関係を保ちながら共存する状態である。
彼のキャリアはカタルーニャの発展とも密接に関係しており、フランコ独裁の終焉後、1992年のバルセロナオリンピックを控えた80年代に多くの計画が進行している。経済が急成長した80年代にはかなりの数の公共建築の建設が計画され、彼のような若い建築家にも比較的頻繁にその建築を実現する機会が巡ってきたようである。そしてオリンピック施設である《アーチェリー競技場と練習場》をはじめ、《イカリア通りの日除け》や《オスタレッツ・シビックセンター》など80年代に計画された多くの建築が90年代以降竣工している。
そこで彼が手がけた公共建築、それもカタルーニャで実現されたものに絞って作品写真を掲載することにした(《ウエスカのスポーツ・アリーナ》は唯一カタルーニャではなくアラゴンでの作品であるが、同じカタルーニャ文化圏における作品として掲載した)。カルマ・ピノスとの共同作品である初期の《イグアラーダの墓地》や《パレッツ・デル・ヴァリェスの日除け》から、ベネデッタ・タリアブーエとの共同で彼の死後に完成した《サンタ・カテリーナ市場》まで、年代的には一応彼のキャリアの大部分をカバーしていると思われる。
彼の建築の多くがランドスケープと建築との境界の間に生成されるものであり、さらにさまざまな要素を敷地内に散りばめるデザインの手法を用いたりするため、その全体像は一見しただけでは理解しがたく、一枚の写真からはその建築を把握することは難しい。そこで今回は敢えて全体像を一枚の写真として納めることを放棄し、部分を丁寧に収集していくことによって全体像を浮かび上がらせることを試みた。もちろんその建築の各部分が非常に丁寧につくられており、全体のシークエンスもよく計算されているために、シーンの集積からでも全体像が見えてくるだろうと確信しての試みではある。たった200枚弱の写真でその建築のすべてを紹介できるとは思わないが、彼の建築をさまざまな角度から捉えることができればと思う。



[撮影者:服部浩之(秋吉台国際芸術村)]

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pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《パレッツ・デル・バリェスの日除け》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《パレッツ・デル・バリェスの日除け》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《イカリア通りの日除け》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《イカリア通りの日除け》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《オリンピック・アーチェリーレンジ》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《オリンピック・アーチェリーレンジ》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《イグアラーダの墓地》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《イグアラーダの墓地》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《イグアラーダの墓地》 [3]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《イグアラーダの墓地》 [4]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《オスタレッツ・シビックセンター》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《オスタレッツ・シビックセンター》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス&カルマ・ピノス《オスタレッツ・シビックセンター》 [3]

pic  エンリク・ミラージェス《ウエスカ・スポーツセンター》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス《ウエスカ・スポーツセンター》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス & ベネデッタ・タリアブーエ《モイェット・デル・ヴァリェスの公園》

pic  エンリク・ミラージェス & ベネデッタ・タリアブーエ《ディアゴナル・マル公園》 [1]

pic  エンリク・ミラージェス & ベネデッタ・タリアブーエ《ディアゴナル・マル公園》 [2]

pic  エンリク・ミラージェス《パラフォイスの図書館(建築過程の写真)》

pic  エンリク・ミラージェス & ベネデッタ・タリアブーエ《サンタ・カテリーナ市場》

pic  エリオ・ピニョン&アルベルト・ヴィアプラナ《ベレンゲール広場》

 


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