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54 図書館

2004年5月23日《シアトル公共図書館》(OMA設計)は、市民のワーォの歓声とともに開館した。玄関が開く前から長蛇の列であった。ニューヨークタイムズ紙で建築批評を書いているHerbert Muschampはこの30年間で最もエキサイティングな建築で、批評できること自体が名誉なことと感想を述べている。また米国図書館協会の年間ニュースベスト10のNo.1にも選ばれた。同年に米国ではリンカーン、クリントン両大統領の図書館も新築され、これらも9位に選ばれている。新築図書館が話題をさらったのは米国図書館史上でも珍しい。
ホテルの斜め前に見た最初の印象は怪物だ......。広角レンズのない安物デジカメでは、1フレームで収まらず、分割して撮らざるをえなかった。四方から全容を収めるだけで、1時間以上かかった。中に入って一通り歩いた感想は、これは使いやすい、空間の遊びが楽しい雰囲気を出しているのは利用者の表情に出ていた。プランは利用者とスタッフの動線を交差させない計画がなされており、図書館員の立場で見て基本に忠実なものであった。一方、鉄/ガラス/建築廃材のリサイクル建材で仕上げることによって、快晴に恵まれないシアトルの街中に開放感を与えるというコンセプトの強靭さと柔軟性は、建築に素人の私にも感動的であった。特にBook Spiralと呼ばれる各階をつなぐスロープには書架が併設されており、本を眺めながら歩いていても不愉快にはならず、障害すら感じない快適な空間である。地元紙Seattle Post-Intelligencerの特集号外(図書館ガイド)によれば、利用空間の機能モジュールを、単純・集中化させて機能ごとに再編したコンセプトで設計されたようである。周りの高層ビル街ともうまく調和していて、実に絵になる景観に大きく貢献している珍しい図書館である。この図書館のモットーは「すべての人々のために」である。シアトルをお尋ねのさいには、ぜひお立ち寄り下さい。
なお、今回の見学は米国国務省主催のInternational Visitors Programに参加した成果で、これらの写真はその際に撮影したものであることを申し添えたい。
また、今回の掲載にあたり、監修者の五十嵐氏からの提案でこれまでに撮影した図書館建築の写真もいくつか提供し同時に公開することにした。



[撮影者:松林正己(中部大学附属三浦記念図書館)]

→ 「公開の原則と著作権について」

 

pic  OMA 《シアトル公共図書館》[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15]

pic  陶器二三雄 《国立国会図書館関西館》[1] [2] [3]

pic  フォルジャー・シェークスピア図書館[1] [2]

pic  アメリカ議会図書館[1] [2]

pic  ジョンズ・ホプキンス大学 シェリダン図書館[1] [2]

pic  フィラデルフィア図書館 [1] [2]

pic  キング郡立図書館 [1] [2]

 


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