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192 スリランカ

192 スリランカ

16世紀からポルトガル、オランダ、イギリスの植民地となり1972年に共和国として独立したスリランカ。最大の都市であるコロンボは官公庁の近代的なビルが集まる地区に植民地時代のコロニアル建築物が残り、ヒンドゥー、仏教の寺院やモスク、商業地区の庶民的なエリアが広がり、無国籍な印象を受ける。植民地時代から砦が築かれたスリランカ南部のゴールは要塞都市としての様相が色濃く残り、内陸部には巨大な岩山の頂上に王宮が建造された古都シーギリヤや、ブッダの歯が祀られた仏歯寺で有名な聖地キャンディといったユニークな都市も点在する。
コロンボからゴールまでのあいだのベントータはビーチリゾートとして開発されており、国会議事堂の設計も手がけたスリランカの建築家であるジェフリー・バワ(1919-2003)は周辺に多くの建築を残している。熱帯の気候を配慮し中庭を設けた伝統的な建築手法や、仏教寺院の天井画など歴史的な意匠の引用も随所に見ることができる。スリランカの贅沢なランドスケープとのんびりとした時間の流れのなかで過ごす空間はどこも居心地が良い。写真は2016年3月中頃に訪れたものである。すべての作品を巡れたわけではないが、50年以上かけて手を加えられたバワの理想郷である《ルヌガンガ》(1948-1998)や4軒の連なる長屋を増改築した《No.11》(1960-1998)をはじめ、こだわり抜かれた調度品とディティールの造形、内部と外部が織り込まれた豊かなシーンを写真から感じていただければ幸いである。



[撮影者:田中良平(東北大学大学院)+楠田博子(東北大学大学院修了)]

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