PHOTO ARCHIVES

179 イスタンブール

179 イスタンブール

イスタンブールは人口1,400万人を超える大都市である。古くから東西の交通の要衝として栄え、ビザンチン帝国、オスマン帝国時代の重要な文化遺産が数多く残っているため、世界中から多くの観光客が集まる。イスタンブールは街の中心がボスポラス海峡と金角湾によって分割されているため、船が市民の身近な交通手段となっている。夕暮れ時に帰宅のために船に乗り、風を受けながら海の向こうのモスクを眺めていると、街の美しさに感動する。

トルコでもっとも有名な建築家にミマール・スィナン(ca. 1489-1588)の名があげられる。ギリシャ人でキリスト教徒の家庭に生まれたが、スルタン直属のイェニチェリ軍に登用するデヴシルメ制度により徴集された。軍人として各地に遠征し、船や橋などの建造に携わり、功績を認められ1538年に宮廷建築家に任命された。遠征先の地中海や中東、東欧など各地の名建築に触れ、調査を重ねたことにより建築に関する造詣を豊かなものにした。
イスタンブールには彼が建設と修理に関わったとされる建築が345件ある。とくに、イスタンブール最大のモスク《スレイマニエ・モスク》やタイルの美しい《リュシュテム・パシャ・モスク》などが有名だ。アヤソフィアの補強工事にも携わっている。
イスタンブールの街並にはヨーロッパや中東など周辺地域の様式が混ざり合ったような不思議な魅力があるが、そこには当時最強の軍事力を誇ったオスマン帝国のもとで各地の建築様式を学んだスィナンの影響があるだろう。

写真は2015年4月から6月にかけてイスタンブール滞在の際に撮影したものである。



[撮影者:南靖子]

→ 「公開の原則と著作権について」
このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事:180 ドバイ及び周辺国
次の記事:178 中世インドヒンドゥー寺院
Photo Archives|五十嵐太郎

INFORMATIONRSS

SPACE DESIGN TOOL BOX VOL.1 「空間デザインの道具箱」(渋谷区・11/21)

「空間デザイン」をもっと面白くするための道具や知恵を集めて、共有したい! 働く空間は、オフィスだけ...

保存再生学特別研究会「20世紀建築遺産の積極的保存活用に向けて」(千代田区・11/9)

都市内には、日々使い続けられている20世紀建築が多数存在するが、それらの保存活用における課題、それ...

上妻世海『制作へ』刊行記念トークイベント 上妻世海×門脇耕三×木内俊克(千代田区・11/30)

『制作へ』の表題論考「制作へ」は一種の身体論であり、身体拡張論である。制作を通じて身体を〈作品〉...

分離派100年研究会 連続シンポジウム第5回「分離派登場の背景に見る建築教育と建築構造」(文京区・11/3)

分離派建築会(1920年 東京帝国大学卒業・結成)を、日本の近代建築におけるモダンデザインの鼻祖と...

東京大学HMC企画研究「学術資産としての東京大学」/シンポジウム「本郷キャンパスの形成とそれを語る学術資産」(文京区・10/28)

本シンポジウムでは、2018年6月に出版された東京大学キャンパス計画室編『東京大学本郷キャンパス――...

ケンチクトークセッション「都市のパブリックをつくるキーワード」(港区・9/24、11/18)

建築家が公共的な建築に取り組むとき、どんなことを考え、何を理想としているのでしょう。 1985年に...
建築インフォメーション
Twitter Feed
ページTOPヘ戻る