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173 沖縄(周辺の島々)

173 沖縄(周辺の島々)

多島国である日本には多くの有人島が存在するが、なかでも沖縄はその歴史的文脈や他県間との距離という点でやや様相を異にする。定義上離島には含まれない沖縄本島自体も、本土からの隔絶性という面において十分に離島的性格を帯びているといえるが、県内にはほかにも48の有人島嶼がある。
沖縄諸島一帯の集落に比較的共通してみられる特徴として真っ先に挙げられるのは、赤瓦屋根や石垣、門と母屋の間におかれる衝立「ヒンプン」などであろうか。これらが成す集落景観は、青々とした海とともにいまや沖縄のアイコンとなっている。

沖縄の方言に「クサティ」という言葉がある。これは腰当という意味を持つが、沖縄では古くから、家や集落は北風を防ぐ山を腰当にして南面する立地が良いとされてきた。そのためか、島々の集落内を歩いていると、南斜面を削り平地にして建てられた民家を多くみる。平屋建てであることも手伝って、北側の区画からは膝ほどの高さに赤瓦の屋根がみえるのだ。この視認性も、沖縄の景観において屋根が記号的な意味を持つまでになった理由のひとつかもしれない。
風水の理由からも、ファサードが南向きであることは重要である。そのため、南北に伸びた道沿いに建つ家は、道に面して東あるいは西に門があるが、しかし内部には回り込んで南面から入る、といったような配置もみられる。伊江島など東西に長く伸びる島においてはとくに、その傾向は顕著だ。悲劇的な戦争により現在は様相がすっかり異なるが、かつての農道の幹線はすべて島のシンボルである城山から西方向に向かって放射状に伸びていたことが地図などからわかる。

しばしば一括りに語られる沖縄の集落も、注意深くみるとそれぞれの場所において個性的な特徴を多く発見できる。
現在も周辺に好漁場を持ち、夕暮れ時には漁網が一斉に民家の石垣に掛けられて印象的な集落景観をつくりだす浜比嘉島、島民の景観意識が強く、白砂敷きの道路景観が美しい竹富島などの風景も、隔絶性ゆえに生まれた独自性の一場面として数えることができよう。
また、伊計島では「イチハナリアートプロジェクト」が、2012年から3年連続で開催された。廃校となった旧伊計小中学校を軸に、集落を巻き込んで70点以上ものアート作品が展開し、島全体を活気づけている。

ここでは、3月に八重山諸島を、6月、9月に本島周辺の島々を、計13箇所訪れた際の写真を紹介する。



[撮影者:佐々木瞭(東北大学)]

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