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169 ゴルド、ルシヨン──フランスの最も美しい村

169 ゴルド、ルシヨン──フランスの最も美しい村

フランスの田舎には、小規模ながらも、独自の遺産や魅力的な風景を残している村が多数存在する。このような、小さくても美しい田舎の村を、過疎化や破壊から守ろうとする運動がある。
1982年、コロンジュ・ラ・ルージュという小さなコミューンの長、シャルル・セイラックを中心に「フランスの最も美しい村」協会(L'association Les Plus Beaux Villages de France)★1が設立された。この協会は、貴重な歴史的・文化的遺産の保存や景観の保護を目的として、一定の審査基準をクリアした村を「フランスの最も美しい村」に認定している。2014年9月末現在、157の村が登録されており、協会のウェブサイトやガイドブックを通して広く紹介されることにより、観光の促進にもつながっている。フランスで始まったこの運動は世界各地に波及し、日本でも「日本で最も美しい村」連合★2が2005年に発足した。
今回紹介するゴルド、ルシヨンも「フランスの最も美しい村」として認定された村である。いずれもフランス南東部、マルセイユ北方のヴォークリューズ県に位置する小さな村である。県内には「フランスの最も美しい村」が多いが、各村への交通の便は非常に悪い。県西部の街、カヴァイヨンから、タクシーやバスを利用する必要がある。
カヴァイヨンから最初に向かったのは、ゴルド地区にあるノートルダム・ド・セナンク修道院である。1148年に創設され、現在もなお修道士たちが生活するこの修道院は、改築や改修を経ながらも、初期シトー会建築の純粋な姿をいまに伝えている。
ノートルダム・ド・セナンク修道院から山を越えたところに、ゴルドの村の中心部がある。山全体に建物が寄り付き、まるでモン・サン=ミシェルのようなたたずまいを見せる。頂上にそびえたつゴルド城(1031年建設、1525年再建)を始めとして、村には石造りの家、石畳の坂道、石積みの塀と石造りの建造物が目立つ。城の近くにあるロマネスク様式のサンフィルマン教会は、12世紀を起源とするが、現在見られるのは18世紀に再建されたものである。
ゴルドの東方に位置するルシヨンは、黄土が豊富に採れる地域にあり、村の建物も黄土色をしているのが大きな特徴である。村の観光局でも黄土を積極的にPRし、黄土について学べるコンセルヴァトワールまで設置されている。村中心部の城(987年建設)や鐘楼(19世紀改修)なども見応えがあるが、なによりも圧巻なのは、かつて黄土の採掘場だったエリアで、黄土が露出した崖の間を歩くことができる。

★1──「フランスの最も美しい村」協会ウェブサイト URL=http://www.les-plus-beaux-villages-de-france.org/fr
★2──「日本で最も美しい村」連合ウェブサイト URL=http://www.utsukushii-mura.jp



[撮影者:柳井良文(東京大学大学院)]

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