PHOTO ARCHIVES

166 ヘルシンキとその周辺の建築[2]

166 ヘルシンキとその周辺の建築[2]

第一部に続いて、この第二部でもヘルシンキ界隈の建築を紹介させていただく。ヘルシンキでの新しい建築は、挑戦的な建築もしばしば見受けられる。たとえば、本好きで知られるフィンランド人は、図書館への執着が強く、フィンランドでみられる図書館は興味深いものが多い。また、フィンランド人にとっての図書館はたんに本を借りたり、読んだりする場所のみならず、友人と会うために訪れたり、静かな空間でくつろぐために訪れたりと、普段の生活の一部として機能している。さらに、フィンランドの現代教会も興味深く、他のヨーロッパでみられる聖堂とは異なる雰囲気をもっている。最後にフィンランドの木を使った建築も忘れてはならない。これら木の建築において、日本では躊躇してしまうような外壁をすべて木で仕上げたものなどは、その典型であるといえる。森林大国であるフィンランドでは、都市の人口密度がそれほど高くなく、ヘルシンキでも街の中心に森林が多く残っている。その都市構成は、フィンランド人が木と密接な関係を築いてきた結果であると理解できる。また、フィンランド建築の最高学府である「アアルト大学建築学科」では、木造と木質を専門で扱う「ウッドプログラム」というコースが存在する。そこでは、木の特性はもちろん、木を使った革新的な建築に毎年挑戦している。これらを背景とした、ヘルシンキの新しい木の建築が放つ独特のオーラは、昔ながらの懐かしさと新しい建築がもつ新鮮さの絶妙なコントラストにほかならない。第二部では、これらに関連する建築を紹介できればと思う。



[撮影者:坂口大史(名古屋工業大学大学院)]

→ 「公開の原則と著作権について」
このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事:167 押上界隈──《東京スカイツリー》以後
次の記事:165 ヘルシンキとその周辺の建築[1]
Photo Archives|五十嵐太郎

INFORMATIONRSS

篠山建築学校2019(募集・-7/27)

近年、全国的に空き家問題が深刻な課題となっており、丹波篠山市も例外ではありません。空き家となった古...

「記憶の家族 アーカイブ・プロジェクト」(ウェブサイト)

コミュニティのあり方をさまざまな手法で記録・収集し、アーカイブを試みるアーティスト・コレクティブのA...

東京プロジェクトスタディ(千代田区ほか・募集 -7/21)

"東京で何かを「つくる」としたら"という投げかけのもと、3組のナビゲーターそれぞれが、チームをつく...

トークイベント・写真展「TOKYO ARCHITECTURE」(千代田区・8/2-4)

高度成長、国際競技大会、日本万国博覧会を経て2020年。私たちは何を更新してきたのでしょうか。その...

レクチャー&ディスカッション「《静かなレトリック》と『建築におけるフィクションについての12章』」立石遼太郎(台東区・7/13)

10+1 website 2018年4月号の論考「建築の修辞学──装飾としてのレトリック」の著者、...

日仏対談シリーズ「ル・ラボ」vol.28「デザインと自己」(新宿区・8/30)

アンスティチュ・フランセ東京が2015年春より開始した対談シリーズ「ル・ラボ」は、日本とフランスの...

「神社」建築の始まりと多様性(愛知県・7/20)

「遺構として残る神社建築はせいぜい平安時代であるから、いわゆる「神社建築史」の最初の記述に疑問を抱く...

新南蛮文化シリーズ講演会「建築家・内藤廣が見たスペインの激動の時代」(千代田区・7/8)

マドリードの建築家フェルナンド・イゲーラスのアトリエで70年代中頃に勤務していた著名な建築家内藤廣...

展覧会「ブルーインフラがつくる都市 -東京港湾倉庫論-」(港区・7/5-27)

Logistics Architecture(ロジスティクス・アーキテクチャ)研究会は、展覧会「ブ...

建築家フォーラム第180回「建築という物語による都市の編纂(キュレーション)」(墨田区・7/16)

7月の建築家フォーラムの講演者は、多方面に天才的能力を持つ建築家・入江経一さんです。 近年、日本の...

早稲田まちづくりシンポジウム 2019 アーバニズムの現在と未来(新宿区・7/21)

アーバンデザインの手法として住民参加型の「まちづくり」が日本各地で行われるようになり、多くの経験が...

建築レクチュアシリーズ217 長谷川豪、田根剛(大阪・6/14, 7/19)

大阪を拠点に活動を行う2人の建築家、芦澤竜一氏と平沼孝啓氏が1組のゲスト建築家をお呼びして、年に7...

「宮本隆司 いまだ見えざるところ」(目黒区・5/14-7/15)

東京都写真美術館では、現在も国内外の美術展などで発表を続ける宮本隆司の個展を開催します。宮本隆司は...
建築インフォメーション
Twitter Feed
ページTOPヘ戻る