PHOTO ARCHIVES

165 ヘルシンキとその周辺の建築[1]

165 ヘルシンキとその周辺の建築[1]

フィンランドの建築と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、世界的な建築の巨匠アルヴァ・アアルトではないだろうか。アアルトが建築界に残した功績に疑う余地はなく、人々が時代を超えてその作品に魅力を感じるのは、アアルトが"自然"に基づいた独自のスタイルを追求したからであろう。そう考えると、これまで本アーカイブで紹介されてきたフィンランドの建築、ヘルシンキの建築において、アアルトの建築作品に比重が置かれてきたのも納得できる。しかし、今回紹介するヘルシンキの建築では、あえてそこから少し距離を置いて、著者の私的な視点から自由かつ横断的にヘルシンキ界隈の建築を紹介させていただこうと思う。掲載作品を選定するうえで用途に大きな縛りは設けず、住宅、集合住宅、公共サウナ、オフィス、商業施設、宿泊施設、複合施設、公共施設、広場などの異なるスケールから、これまであまり紹介されてこなかった作品も含めた。ヘルシンキでは、古い建築と新しい建築が興味深いかたちで同居しており、歴史の移り変わりを体感できる。ヘルシンキの建築に総じていえるのは、主張することや魅せることに必ずしも比重を置いていないことではないだろうか。それは、時に刺激に欠けるかもしれないが、人間を中心に据えた上品な建築とみることもでき、フィンランド人の国民性を如実に表わしている。また、季節によって大きく表情を変えるフィンランドでは、同じ建築でも夏と冬でまったく異なる様相をみせる。それもまた、これらの建築の魅力ではないだろうか。今回、構成の都合上、二部構成とし、用途は問わず古いものから順に紹介していく。



[撮影者:坂口大史(名古屋工業大学大学院)]

→ 「公開の原則と著作権について」
このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事:166 ヘルシンキとその周辺の建築[2]
次の記事:164 ユハ・レイヴィスカ
Photo Archives|五十嵐太郎

INFORMATIONRSS

中村好文『芸術家(アーティスト)のすまいぶり』刊行記念「アーティストの住まいぶりと暮らしぶりから学んだこと」トークイベント(渋谷区・12/3)

アーティストにとって、住まいは「生き方の姿勢が、かたちになって見えるもの」(本文より)── ホンカ...

シンポジウム「建築家・根津耕一郎の仕事」(兵庫・11/16)

1960年代から70年代を中心に、関西を拠点として数多くの建築物を設計した建築家・根津耕一郎氏のシ...

トークイベント『土壁と柿 妙喜庵 待庵 書院及び茶室待庵 保存 修理の記録』刊行記念 藤森照信×田村尚子(中央区・11/21)

『土壁と柿 妙喜庵 待庵 書院及び茶室待庵 保存 修理の記録』の刊行を記念して、建築家であり建築史...

「窓展:窓をめぐるアートと建築の旅」(千代田区・-2/2)

わたしたちのくらしにとって窓はほんとうに身近なもの。それは光や風を室内に取り入れながら、寒さや暑さ...

「磯崎新─水戸芸術館縁起─」(茨城・11/16-1/26)

建築家・磯崎新による美術館設計を振り返るシリーズの一環として、当館では水戸芸術館の設計コンセプトや...

展覧会「Steven Holl: Making Architecture」(品川区・11/8-1/8)

アメリカを代表する建築家、スティーブン・ホールは72歳になった現在も、ニューヨークと北京にオフィス...

シンポジウム「占領期の都市空間を考える──記憶をいかに継承するか」(兵庫・11/23)

2019年11月23日(土・祝)にシンポジウム「占領期の都市空間を考える──記憶をいかに継承するか...

戦後空間シンポジウム 04「バブル・震災・オウム教─1990年代、戦後空間の廃墟から─」(港区・11/22)

主旨: 「戦後空間シンポジウム」第 4回目のシンポジウムは戦後空間の変質に目を向け、80年代後半か...

第5回「吉阪隆正賞」授賞式/記念シンポジウム(千代田区・11/18)

第5回「吉阪隆正賞」を受賞した西沢立衛氏による記念シンポジウムが、11月18日にアテネ・フランセ文...

[磯崎新の謎]展(大分・9/23-11-24)

大分市が誇る建築家・磯崎新(1931~)は建築の枠を超え、思想、美術、デザインなど多岐に渡る分野で...

展覧会「日本建築の自画像 探求者たちの もの語り」(香川県・9/21-12/15)

われわれがよく聞く『日本建築』とは、何なのか? そもそも、何が『日本的』なのか? 本展では『日本建...
建築インフォメーション
Twitter Feed
ページTOPヘ戻る