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164 ユハ・レイヴィスカ

164 ユハ・レイヴィスカ

ユハ・レイヴィスカ。フィンランド国内において、その名を知らない人はいないと言っても過言ではないほど、彼がフィンランド建築、ひいては北欧建築に残してきた功績は大きい。レイヴィスカは、設計活動に加えて、大学での講義、ピアニストとしての演奏会など、建築以外の分野でも精力的に活動してきた。道端でばったり出会った際には、楽しそうに話す彼の笑顔は、相手も楽しい気持ちにさせる不思議な力がある。そんな彼も78歳となったいま、建築家としての最終作品に全精力を注いでいると聞く。レイヴィスカの建築の最大の特徴は、形態と光の織りなす絶妙な陰影をもった空間ではないだろうか。その空間は、とらえ方によって、ある意味難解であるが、それと同時に感情に直接訴えかけてくる。また、光と影のパターン、連続的に変化する形態により構成される空間からは、レイヴィスカ独特のリズムを感じる。これは、ピアニストとしても有名な彼の繊細さとリズム感が、彼の作り出す建築に如実に現われているのではないだろうか。さらに、彼の作り出す空間には、彼自身がデザインした照明がしばしば用いられる。そんなところからも、彼の光に対する繊細な姿勢がうかがえる。その照明は、彼の叙情的な空間を構成する重要なエレメントとして、静かにそしてやわらかにその存在を示している。一度、彼の建築に足を踏み入れると、空間の垂直方向、水平方向と光の陰影がもたらす安定感によって、独特の落ち着きを感じる。今回、2009年9月から2014年1月の間に撮影した写真のなかから、彼の事務所で取り組んだ照明、集合住宅、教会、教育施設など異なるスケールの建築を紹介する。



[撮影者:坂口大史(名古屋工業大学大学院)]

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