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133 ブリュッセル

133 ブリュッセル

ベルギー、ブリュッセルと聞いて、建築に限らずなにか特定のイメージが浮かぶ人はそう多くはないかも知れない。だがフランス、オランダ、ドイツといった大国のあいだに位置するブリュッセルにはEUやNATOの本部が置かれ、ヨーロッパの心臓として機能している。都市計画を見ても、EU本部のあるブリュッセルのシューマンから凱旋門、さらにその先まで続くロワ通り(Rue de la loi)はパリのシャンゼリゼ通りを彷彿とさせるし、建築を見ても周辺各国で興ったさまざまな様式が取り入れられている。様式の混合が見られる最高裁判所がその良い例だ。ヨーロッパの主要な観光地をミニチュア模型で展示したミニヨーロッパがブリュッセルにはあるが、まさにブリュッセル自体がミニヨーロッパといった趣向である。
また、ベルギーはアール・ヌーヴォー建築の祖、ヴィクトール・オルタの出身地でもあり、数多くの作品が残されている。他の建築家によるアール・ヌーヴォー作品も多い。漫画の国としても有名で、街を歩いているとさまざまなアーティストの壁面ペインティングが目を楽しませてくれる。
周辺のヨーロッパ諸国の首都都市と比べると、都市としての規模や経済規模もはるかに小さく、街中で行なわれている建設工事の数も少なく感じる。古くから残る教会やアール・ヌーヴォー建築をはじめ、町並みの保存には力を入れているようだが、保守的な面が強く、見るべき現代建築は残念ながらなかなか生まれないようだ。しかしそうした状況もブリュッセルの良さであり、旧市街地からアール・ヌーヴォー住宅の建ち並ぶ地域、さらにはEU施設の連なる地域からは、各時代の刺激と旋風をそのまま肌で感じることができる。また郊外へのスプロール化が起こらなかった街としても注目されており、観光客の少ない平日の昼間ですら、街は多くの人で賑わっており、人々の生活を感じ取ることができる。
ヨーロッパの良いとこ取りをしたような、コンパクトな街ブリュッセル。短期の滞在にはじつはとっておきの街かも知れない。



[撮影者:川崎亮(東北大学大学院)]

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