INFORMATION

whenever wherever festival 2018 そかいはしゃくち(足立区・4/26)

アーティストが主導するボディ・アーツ・ラボラトリー(BAL)主催によるダンス・フェスティバルの第8回として、whenever wherever festival(ウェンウェア・フェス)2018を開催します。
wwfes2018では、4名のアーティスト、福留麻里(ダンサー)・aokid(アーティスト)・村社祐太朗(新聞家主宰、演劇作家)・七里圭(映画監督)がキュレーターとして企画したパフォーマンスやトーク、展示などのプログラムを行います。空間デザインを担当するのは、木内俊克+山川陸。「そかいはしゃくち」をテーマに、北千住BUoY地下劇場が6つに仕切られた空間で、企画ごとに異なるエリアを用いて、複数のプログラムが4日間で展開されます。[広報資料より]


テーマ|そかいはしゃくち
時間単位で区画は切断・接合され、
機能は順次移動し、導線は書き換えられていく
複数のダンスが一つの景観の中で共存すること

「租界」はいわば"借地"のことである。歴史上最大規模の租界である上海共同租界は、1842年から1943年まで存続した。アヘン戦争の帰結として中国が被った不平等条約に端を発しイギリスに貸すことになった貸すことになったその港町は、"にわかな自治国家"と呼ばれるほどに栄え、また自他の利害をうまく調整しながらひょうひょうと2つの大戦下を生きながらえた。借地のそれのように、人の土地に家を建てるようにして拓かれていった港町には公の法・条約は存在せず、"取り決め"が居合わせた人々によって適宜設えられていった。そして一方でそこはやはり「港」であり、貿易がその経済の礎である以上、関係を切り結んでいく外界の他者にとっての都合の良い帰着地であろうとしなければならなかった。取り決めは独占的であってはならず、それは外界との緩やかなシーム、妥協点でなければならない。
私たちがキュレーターとして今回の会場であるBUoYに持ち込むのは、この「取り決め」のいくつかである。限られた土地を区画し、町に必要な機能を配していくかのように、レセプションとロビー、アクティングスペースを空間に割り振っていく。ただ100年を4日間に詰め込むようにして、時間単位で区画は切断・接合され、機能は順次移動し、導線は書き換えられていく。その目的は遮音がされた芝居小屋を複数建造することではなく、複数のダンスが一つの景観の中で共存することである。租界は借地だが、さらにスケールをすり替えれば「時間貸し」でもある。そこまで卑近に「租界」を捉えることは可能だろうか。あるいは、独立からも侵略からも無縁な自治区を4日間演ずることは可能であろうか。[村社祐太朗]

空間デザインについて
いわゆる「フェス」では、いくつもの公演が立ち上がっては入れ替わってゆく。この「フェス」における空間と時間の公共性そのものがテーマとして浮上し、キュレーターにより提示された「租界」の概念と出会い、文字通り同一の時間と空間を共有して複数のパフォーマンスを走らせる試みのアイデアが生まれた。
ではその空間構成の試みは、即物的な観点からはどう捉えるべきだろうか? そこで複数の行為の共存や入れ替わりを担保する上で重要だと考えられたことは三つある。一つ目は、空間は仕切りとして十分に利用しやすく、単純で、誰の目にも明らかな構造を持つこと。二つ目は、しかしながら実際にはいつでもルールを破れる自由度を担保していること。三つ目は、それらすべての構成要素が、すんなり受け入れてしまえる日常と同じ凡庸さを携えながら、一方で「どこか居心地が悪い」といった、常にあやふやな疑念や違和感を醸し続ける細部やヒントに満ちていること。それらどの働きも、「租界」のもつ理知や妥協、柔軟さ、刹那、変異し続ける潜在性の培養に欠かせないものであるはずだ。
これらの試みは、日常の公共空間におけるささやかなリスクと報酬のかけ引きを増幅して実践するという意味で、さながら公共空間の「クラブ活動」のようだ。そして公演の4日間が「公共空間クラブ」なら、その地に身体を、目をならす作業はさながら「基礎トレ」と言えるだろうか。ここにその暫定的ガイドラインを書き出し、参加する方々のより踏み込んだ部活動の実践を祈る(別に部活なしでも来ていただきたいが)。ようこそ、「公共空間クラブ」へ。[木内俊克+山川陸]

日時
2018年4月26日(木)−29日(日)
同時開催|BALパフォーマンス・プログラム(企画:山崎広太)

会期中は公演やトーク、ライブ、ワークショップなど多彩な企画が開催されます。プログラムの詳細は、ウェブサイトフライヤーをご確認ください。

会場
北千住BUoY
(東京都足立区千住仲町49-11[墨堤通り側入り口])

キュレーター
福留麻里、aokid、村社祐太朗、七里圭

空間デザイン
木内俊克+山川陸

主催
ボディ・アーツ・ラボラトリー

ウェブサイト
bodyartslabo.com/wwfes2018

ブログ
wwfes2018.tumblr.com




このエントリーをはてなブックマークに追加

前の記事: シンポジウム「今、日本の建築を考える」
次の記事: 「プラハの機能主義建築──伝統と現代建

INFORMATIONRSS

地域社会圏」と「現代総有」─個人・社会・空間をつなぐ新しい考え方─(千代田区・9/1)

人口減少と少子高齢化、東京への一極集中に代表される都市部と地方の格差拡大、グローバル化が進む中で...

「建築」への眼差し -現代写真と建築の位相-(品川区・8/4-10/8)

ニセフォール・ニエプスによって撮影された歴史上初の写真が作業場の窓から見える納屋と鳩小屋の映像であ...

UNBUILT: Lost or Suspended(品川区・8/4-10/8)

建築の歴史はある意味で「敗者の歴史」である。計画取り止めやコンペ敗北の時点から"過去"になることで...

川田知志「Open Room」(大阪府・9/2-10/13)

「壁画」を主軸とするインスタレーション制作によって、視覚芸術と都市空間との関わりを提示する美術家・...

Urban study Vol.1ファシリテーターとワークショップの役割(杉並区・8/25)

高円寺・阿佐ヶ谷で杉並区役所に登録して若手建築家主導でまちづくり団体を作ります。まちづくり+建築...

クリエイティブ・アイランド・ラボ 中之島「世界の都市の中の"島"」(大阪府・8/25)

アートエリアB1は、開館10周年を機に新たなプロジェクト「クリエイティブ・アイランド・ラボ 中之島...

カルティエ現代美術財団「自由な建築」展・出品プロジェクトを語る 石上純也レクチャー+サイン会(渋谷区・8/25)

2018年3月30日より、世界的にも評価の高い気鋭の建築家・石上純也氏の大規模個展「JUNYA ...

WIKITOPIA INTERNATIONAL COMPETITION(公募・-9/24)

Wikitopiaプロジェクトは、先進的な情報通信技術を活用することで、オンライン百科事典Wiki...

日仏建築文化交流展2018 Communication Beyond Words(千代田区・8/4-22)

日本とフランスの友好160周年を記念し、建築を通した文化交流プログラムを開催します。両国から3組ず...

ユニヴァーサル・プリンシプルズ:環境的課題をリセットするオーストラリア建築の試み(港区・7/7-8/26)

オーストラリアは気候や地質学などの観点から見て、両極端の要素が共存する広大な大陸です。 現代オース...

秋野不矩美術館開館20周年記念特別展「藤森照信展」(静岡県・8/4-9/17)

秋野不矩美術館開館20周年を記念し、当館を始め多数の建築設計を手掛けている建築家・建築史家、藤森...

海を渡ったニッポンの家具-豪華絢爛仰天手仕事-(大阪府・6/8-8/21)

1873年のウィーン万博で一躍人気を博した日本の工芸品。浮世絵をきっかけに巻き起こった欧州のジャポ...
建築インフォメーション
Twitter Feed
ページTOPヘ戻る