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特集:201401 2013-2014年の都市・建築・言葉 アンケート<

須之内元洋

●A1

Google Glassを始めとした消費者向けウェアラブルデバイスの勃興と環境メディア化。思えばスマホのながら歩きとは、次なるメディアの環境化に対する切実な欲求の現われだったかもしれない。メディアがポケットの中にあるのと、身体にくっついていることの差異はきっと大きい。過去数十年にわたって研究が行なわれてきたウェアラブルデバイスと、それにまつわるキーテクノロジーが、いよいよ実践的なメディアとして実装され始めた。都市の空間概念、人々の生活行動様式がどのように再デザインされる可能性があるのか興味深い★1,2

★1──世界の主要都市に拠点を持つデザインファーム frog design による、ウェアラブル・テクノロジを活用した八つのデザインコンセプトの提示
URL=http://www.slideshare.net/frogdesign/wearable-technology-22155193
★2──ウェアラブル・デヴァイスと身体とのインタラクションの課題を提示する記事(MIT Technology Review)。スワイプ(スマホ)≒ OK Glass(Google glass)?
URL=http://www.technologyreview.com/view/511641/google-glass-needs-phatic-interaction-stat/

●A2

2014年7月19日(土)より9月28日(日)までの72日間、札幌国際芸術祭2014が開催される★3。昨年11月に行なわれたシンポジウム「札幌国際芸術祭が目指すもの」において★4、芸術祭企画アドバイザーの浅田彰氏が発したメッセージが印象的だ。百数十年前にアメリカ人のウィリアム・クラーク博士が発した「Boys be ambitious」から「We are ambiguous」へ。アメリカ型の開発モデルによってつくられた近代都市の象徴としての札幌で、近代の意味、これからの都市のあり方を問い、今一度「We are ambiguous」という認識に立ち戻れるかを問う芸術祭になる予定だ。北海道出身で晩年は札幌大学学長を務められ、昨年3月10日に亡くなられた山口昌男さんの言葉「Be ambiguous(両義的ないし曖昧であれ)」である。

シンポジウム 札幌国際芸術祭が目指すもの

★3──札幌国際芸術祭2014
URL=http://www.sapporo-internationalartfestival.jp/
★4──「シンポジウム 札幌国際芸術祭が目指すもの」
URL=http://www.ustream.tv/recorded/40578943

●A3

安倍晋三首相の「原発はコントロール下にある」発言、2020年の東京オリンピック開催が決まったのも束の間、特定秘密保護法の成立に続いて猪瀬直樹前東京都知事の辞任。北海道から一連の流れをみていると、日本の根深い問題は何も解決しておらず、むしろ問題を象徴しているかのような経緯に映る。まずは、東京都知事選の結果を見守りたい。


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