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特集:201401 2013-2014年の都市・建築・言葉 アンケート<

暮沢剛巳

●A1
生誕100周年という節目を迎えたこともあり、丹下健三関連の展覧会や出版企画が随分と充実していた印象がある。
特に『丹下健三とKENZO TANGE』は資料的な価値が高く、編者の労を多としたい。
また現在刊行中の『磯崎新建築論集』は、収録テキストそのものは大半が既出だが、若い世代の編集協力者が新たな読み変えを試みている点が新鮮で興味深い。

 
豊川斎赫『丹下健三とKENZO TANGE』(オーム社)/『磯崎新建築論集』(岩波書店)


●A2
[3]とも関連するが、来春ソウルでオープン予定のザハ・ハディド設計の《東大門デザインプラザ&パーク》が大いに気になっている。
日本でも本格的なデザインミュージアムの設立を求める声が高まりつつあり、どのような影響を及ぼすかにも注目したい。

●A3
現在の日本にはオリンピック招致より優先すべき課題が山積しているばかりか、できればイスタンブールでのオリンピックを見てみたかったこともあり個人的にはあまり歓迎していない。もちろん開催する以上は(いろいろな意味で)成功してもらいたいと思うが、現在の都政の混乱を見る限りは期待薄か。
昨今話題になっている国立スタジアムの件は、実現可能性よりも話題を優先したコンペの弊害がさまざまなかたちで露呈してきているように見受けられる。
ただ昨年もこの欄で指摘したように、デザイン自体は興味深いものでもあり、選んだ/選ばれた責任を全うするという意味でも、可能な限り原案に近い状態で実現し、また新たな問題を提起してほしいと思っている。
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