ENQUETE

特集:201301 2012-2013年の都市・建築・言葉 アンケート<

中村竜治

●A1

『JA87 乾久美子』(2012年10月)の表紙

力強く美しい木のシルエットの向こうに建物が見え隠れしていて、木と後ろの建物との間にその建物を設計した建築家が笑顔で佇んでいる写真が表紙となっています。一瞬3者のバランスに違和感を覚えますが、見ているうちに、いくら見ても、安定しない絶妙なバランスを感じるようになりました。また、そのせいか、うまく言葉にはできませんが、建築とはどうあるべきか、建築家とはどうあるべきかなど、いろいろなことを考えさせられました。とてもいい写真だと思いました。

ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館展示レビュー

建築展で建築を伝えることが、実物が展示できない以上、非常に難しいことは、建築家もそうでない人も実感していることだと思いますが、そのうえさらに震災について伝えるのは困難を極めるだろうなと思っていました。しかし、伊東豊雄さんをコミッショナーとし、乾久美子さん、平田晃久さん、藤本壮介さん、畠山直哉さんによる、2012年のヴェネツィア・ビエンナーレ日本館展示は、その両方を見事に世界の人々に伝えて見せました。成功した理由を建築家の吉村靖孝さんが「artscape」でのレビュー「問われる建築家像──ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展のアジェンダ」で分析しています。「スタディにはリアルがある」など、何かを伝えなければならないとき、とても参考となる指摘がなされています。

●A2

岡啓輔《蟻鱒鳶ル(ありますとんびる)》

おそらく日本一本格的なセルフビルド建築ですが、にもかかわらず、セルフビルドというくくりが霞むほど、いろいろなことを含んだ多面的な建築だと思います。2009年竣工予定でしたが、遅れているようで、来年か再来年あたり完成しないかなと思っています。建設自体が希望や元気を与えてくれます。だからいつまでも建設中であってほしいという気持ちもありますが。

●A3

実施コンペ

魅力的な町づくりに役立つことを期待しています。
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