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特集:200912 ゼロ年代の都市・建築・言葉 アンケート<

柳原照弘

建築作品(だと思ってます)

TEAM ROUNDABOUT『ROUNDABOUT JOURNAL』

佐藤敏宏「ことば悦覧 ことば紀行」

http://www5c.biglobe.ne.jp/~fullchin/eturan/mokuzi/aturanmokuzi01.htm

2010年を目前に控え、新しい時代の幕開けを意識しだすこの時期にとてつもない構造をもった建築が現われた。
その2つは目に見えない、が立派な建築であると断言する。前者は建築家藤村龍至を中心に、ジャーナリスト山崎泰寛や建築家を中心にそれぞれが役割を持った組織「TEAM ROUNDABOUT」が議論の場を設計していく一連の活動。後者は福島在住の建築家佐藤敏宏が全国へ自ら出向き、そこで会った30代の若手独立系建築家、クリエイターにインタビューを行ないWEB上で公開するというもの。
ゼロ年代の特徴であるインターネットを操り、自己責任を持ちながら公開し続けるかれらの特徴は、自在に移動できるはずのウェブの媒体を拠点にしながらも自身が直接出向き、身体を交えながらインタヴューや議論の場を設計していることだ。もうひとつの共通点は誰にも頼まれていないこと。
そのなかからさまざまな人や出来事を巻き込み、新しい状況を生み出すことは建築をとりまく社会を設計していることでもある。

書物

多木陽介『アキッレ・カスティリオーニ──自由の探求としてのデザイン』(アクシス、2007)

1993年にGi js BakkerとRenny Ramakersによって結成されたdroog designや1999年にレム・コールハースとのコラボレーションで建築と家具の可能性を見いだしたmaarten van severenらの影響を存分に受けたここ10年の日本のデザインシーンは、振り返ればもっとその前の建築家カスティリオーニの一連の仕事によってすべてを語ることができる。日本語でカスティリオーニの思想に近づける最良のテキスト、ゼロ年代の原点といってもいい本だと思う。

『ROUNDABOUT JOURNAL』vol.1, 2/『アキッレ・カスティリオーニ』

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