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都市の「シェルター」をリサーチするプロジェクト「Shelter Studies」。サンパウロ、カラカス、ボゴタ、ニューヨーク、ジュネーヴ、パリ、ロンドン、イスタンブール……世界の都市を巡り、そこに住まう人々への30のインタヴュー|Shelter Studies is project to research various 'Shelter' by Keisaku Fukuda+Robert Schmidt+Gonzalo Velez. They interview 30 key persons living in vulnerable urban space.|Powered by MT 2.65Syndicate this site

氏名: ワシントン・フェレリア
職業: 学生/2ブラザーズ運営メンバー
国籍: ブラジル
収録日: 2006年10月17日
URL: http://www.2bros.org/


ホジェリオとは対照的に、はじめワシントンは穏やかで静かな様子の青年だったが、喋り始めて15分が過ぎた頃から、自在に冗談を言ったり人を笑わせる、本来の彼の性格を見せてくれるようになった。インタビュー中、彼はとても知的に、教えることへの情熱について語ってくれた。
ホジェリオもワシントンも、英語を学ぶほんの小さなきっかけが、ファベラに住む子供たちの将来に全く異なった可能性と展開を与えることを訴えていた。成長していく中で英語を学ぶ機会を得、子供たちを麻薬や銃器の売買が行われるストリートから守り、彼らにサバイバルしていく上での道具を与えることが、2人がコミュニティからもらったものを還元していく上でのモチベーションになっているのである。
2人は共にロッシーニャをより良くしていきたいという願望を語ったが、現実に存在している問題についても冷静に認識していた。そして、彼らが現在行動していることによって起こる少しずつの変化が、将来より大きなものになる希望を持っていた。彼らはコミュニティの真のヒーローだった。

あなたの経歴について教えてもらえますか?
今は21歳で、13歳のときに北東部のペラリブラという州から引っ越して来て以来、ずっとホッシーニャで暮らしています。

あなた自身の経験から、ホッシーニャに暮らすことのポジティブな面とネガティヴな面はなんだと思いますか?
まず、ポジティヴな面としては、コミュニティー意識があること、そして相互扶助の関係があること。ネガティヴな面としては、麻薬取引、そして政府からのケアの欠如。

なぜ、またどのようにして2ブラザーズ財団の活動に関わるようになったのですか?
まず、1998年に英語を学び始め、その後ここに来て、新しい生徒たちの手助けをすることを決めました。当時、ボランティアはいなかったので、手助けされるのではなく、手助けすることを決めたのです。

子供たちに対して、2ブラザーズ財団はどのような希望を持っていますか?
私たちの目標は、ストリートにいて、麻薬の売人になってしまう可能性のあるすべての子供たちと共に働くことです。この財団では、子供たちに言語、基本的な音声の感覚、そしてストリートから離れ、同時に麻薬に手を染めない方法を教えています。

あなた自身の夢、希望を教えてもらえますか?
私は歴史を勉強しているのですが、教えることが好きなので、教授になりたいと思います。