パリ、近代建築の時代 PARIS
IGARASHI Taro Photo Archives 47


H・ソヴァージュ《アミロー通りの階段状HBM集合住宅》
Henri Sauvage, Immeuble HBM à gradins, 1930
13, rue des Amiraux, Paris 18e, France
アール・ヌーヴォーの建築家としてスタートしたアンリ・ソヴァージュ(1873-1932)は、その後、衛生思想の影響を強く受ける。段状にセットバックするHBM集合住宅(労働者向け低廉住宅)は、その建築的解答だった。段状の形態は、日光を多く取り入れ、また各住戸が庭を持つためであり、鉄筋コンクリートが白い陶器タイルで覆われたのは、容易な洗浄を可能にするためであった。台形型の中央部にはプールが置かれ、現在も使用されている。有名な《ヴァヴァン街の集合住宅》(1912)の延長上にあるが、衛星思想が社会住宅に適用された点で、よりソヴァージュの思想がダイレクトに実現されたものといえる。ソヴァージュは、その後さらに巨大なピラミッド型の建築物を構想しているが、実現はしていない。

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